幻の白川勝彦著『政敵抹殺』
09年05月22日
No.1172
2009年の連休明けに『政敵抹殺』と題した著書を発行するつもりだった私は、4月の初め頃その準備をしていた。4月10日頃には、ほぼ原稿は出来上がっていて、いつでも出版社に渡すことができる状況だった。しかし、私は出版をしばらく見合わせることにしたと出版社に伝え、原稿をそのまま手元に置いた。なぜか。
予定どおり出版されていれば、今ごろ『政敵抹殺』が書店に棚に並んでいる筈であった。これを見た読者の反応・印象はどうであろうか。著書の内容は、書名でだいたい分かってもらえると思う。しかし、手にとって買おうという気になるだろうか。『政敵抹殺』は、あくまで検察の卑劣な行為と必死に闘っている小沢民主党代表を援護するために出版する著書であった。いつも言っているように私は文筆を業とする者ではない。己の著書に“何らかの政治的意義”があると考えるから出版するのである。
4月10日ころ、『政敵抹殺』の出版に私が躊躇を感じたのは、このままいったら小沢民主党代表は辞任するかもしれないという思いをもったからであった。もちろん小沢代表に「貴方は最後まで大丈夫ですか」などとは訊けない。小沢代表の近くにいる議員を私は知っている。その議員に「小沢代表は最後まで大丈夫か」などとも訊けない。武士の情だ。しかし、私が出版社に『政敵抹殺』の出版を見合わせると伝えたのは、小沢辞任はあり得ると判断したからだ。5月11日(月)、小沢代表は辞意を表明した。
予定どおり『政敵抹殺』の出版を進めていたら、ちょうど発売当日だったであろう。数日間はタイムリーな書物であったかもしれないが、10日も経った今ごろはすでに時宜を失っているであろう。政治とはそういうものである。だから、政治ものの本は“こわい”のだ。昨年の10月、私は『自公連立解体論』と『政権崩壊』の2冊の著書を出版した。それは10月末か11月中に想定される総選挙を睨んだものであった。当時ほとんど全部の関係者がそう言っていたのだ。私だけ“唯我独尊”で頑張っている訳にもいかなかった。
結果として選挙は伸びたが、2冊の著書はそれなりにタイムリーであった。『自公連立解体論』は私が予言したとおりベストセラーにならなかった(笑)が、お陰さまでほぼ完売し、出版社には迷惑をかけなかった。『政権崩壊』は少し残ったが、今後それなりに売れると考えている。『政権崩壊』は売れ残ったら、私が買い取らなければならないのだ。出版する毎に著書を買い取っていたのでは私も堪らない。
早晩いずれにしても総選挙は必ず行われる。小沢事件も起こった。鳩山代表も誕生した。まさか自公“合体”政権も“四番煎じ”という訳にもいかないだろう。今度こそ、“最終決戦”となるのである。私もタイムリーな著書を再度企画して参戦しなければならないと考え、昨日からその準備にとりかかった。日程は極めてタイトである。しかし、あらゆる困難を乗り越えて出版しなければならないのだ。そのような気迫でこの作業を進めている。また忙しくなる。
それでは、また。