雇用の確保というと、すぐ企業誘致という話になります。日本の企業の多くが生産拠点を中国等に移している現状の中で、これは極めて難しい課題です。生半可な誘致策では企業はきません。思い切った企業誘致の施策とあらゆる努力をしなければなりません。企業誘致のために十日町市は最大限の努力をします。私たちの心意気が通じることを確信して。
雇用を確保するためにもっとも現実的で即効果があるのは、現にいまある地元の企業を守ることです。地元の企業の発展に十日町市として最大限の努力をすることです。市行政がお手伝いできることがかなりあるはずです。十日町市の地場産業は、着物の製造でした。いまでも多くの人が働いている大切な地場産業です。厳しい現状にありますが、ネバー・ギブ・アップの精神が必要ですし、行政として最大限の支援策を模索していかなければなりません。
建設業は、いまや大切な地場産業です。多くの人々が働いております。災害に強い地域づくりのためにも、また住みやすい美しい街づくりのためにも、そして地域産業の発展のためにも、必要な公共事業はどんどんしなければなりません。私たちの地域には、必要な公共事業がまだまだいっぱいあります。しかし、公共事業費が削減されているのは厳然たる事実です。あらゆるルートを駆使して、国・県の公共事業をもってきます。市単独でもやらなければならない事業は、積極的に進めます。
十日町市は、人口の比率ではコンピュータ・ソフトの技術者が県下で最も多いところです。誇りにすべきことです。中心商店街も県下では健闘している街です。へぎそばは、いまや全国的に有名です。いうまでもなく魚沼産コシヒカリは、全国的なブランドです。食の安全に対する関心の高まりにより、農業は知恵と努力によって再び大きな可能性がある分野になってきたと私は考えます。
観光面をみても、松之山温泉は全国ブランドです。当間高原リゾートは、必ず全国的なブランドになれます。清津峡と秋山郷は、天下に知れた名勝の地です。これらを核として、十日町市の観光資源全体をネットにすれば、観光を大きな地域産業として育てることができます。地域全体で、全国に先駆けて長期滞在型の観光リゾート地にするのです。
この他にもいろいろな可能性をもった地域企業や産業がまだまだたくさんあります。これらの企業努力を支援し、地域産業を育てることは、十日町市の行政のもっとも大きな課題です。
新しい地域産業を興すことも真剣に模索しなければなりません。地域環境と現在の経済状況は極めて厳しいものがあります。新しい地域産業を興すといってもそんなに簡単なことではありません。ですから、半官半民で地域産業を興すことも視野に入れてこの問題に私は取り組みます。資本も技術もなかった明治維新の時に、明治政府がとった政策です。雇用の場の不足は、この地域を崩壊させてしまうほど深刻な問題だという認識を私はもっています。