早春の候、貴台におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素より、私共にご指導、ご協力を賜っておりますことに対し衷心より感謝申し上げます。 また、永年の政権与党としてのおごりの中で、権力闘争に乗じられ党分裂の事態を招き国民政党としての責任を果たしていないことは、誠に遺憾であり深くお詫び申し上げます。この上は、私共一丸となり党改革に実をあげながら必ず再生することを、お誓い申し上げる次第であります。
さて、政治は国家、国民の安全と、福祉の向上に全責任をもつことでありますが、その前提は、国民一人ひとりの自由な意思が尊重されることであり、言いかえれば、「心の自由」を確保することであります。
しかし、連立政権の誕生と共に、戦後幾多の先人が築き上げてきた「心の自由」を保障する「自由な社会」が、いま根底から崩れ去ろうとしております。
なぜなら、極めて排他的な一宗教団体が、自ら支配する政党を政権与党に組み入れ、政治を壟断し、わが国を事実上支配しようとする構想を描いているからであります。特に、この度の政治改革法案の成立に伴う小選挙区比例代表並立制の導入によって現実化する危険が切迫してまいりました。
私共はこの危機に際し、日本の将来に責任を負うべき政治家として立ち上がり微力を尽くす決意をいたしました。そのためこの危険な策謀をあらゆる機会を通じて国民の前に明らかにしていくと共に、国民の負託を得て国会に籍をおくものとして国会活動の場においても、こうした策謀を阻止するための具体的行動を起こすことといたしました。
何卒、私共のこうした決意をご理解賜ると同時に、国民全体がこの事態の深刻さを覚醒するため、貴台ならびに貴教団の絶大なるお力添えを頂きたく伏してお願い申し上げます。
本来ならば拝眉の上お願い申し上げるべきところ、略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます。
末筆ながら、貴台の益々のご健勝と貴教団の一層のご発展をご祈念申し上げます。
平成六年二月十八日 敬白
「憲法二十条を考える会」代表
衆議院議員 亀井
静香
団体代表者各位
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