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白川・小泉 放送対談中の表情写真

 白川勝彦の世の中つれづれ談義   2010年9月25日 土曜日 (第13回)

検事の証拠偽造事件で思い出す、ある刑事事件

話者名話の内容
検事の証拠偽造事件で思い出す、ある刑事事件
小泉白川さん、最近いろいろと騒がしい出来事が多いですね。
白川一週間前に民主党の代表選挙が行われ、菅さんが再選されました。これから政局も動きますので、これについてはまた詳しくお話したいと思います。
尖閣諸島の問題で日中間に軋轢が生まれています。韓国との間には竹島問題がありますが、今回はより大きな対立に発展しました。こうした領土をめぐる問題も真剣に取り組まなければなりませんね。
今日はね、ごく最近の問題ですが、大阪地方検察庁の主任検事が、厚生労働省の村木厚子元局長の裁判に関係して、押収した証拠のパソコンデータを書き換えて、証拠を隠滅・偽造したことについて触れたいと思います。
白川勝彦は民事専門の弁護士と思われているかもしれませんが、私は刑事事件の代理人としても活動してきました。原点の一つは刑事事件の弁護活動です。小説やドラマにもありますが、人間が無実なのに逮捕され裁判を受けるというのは、昔からありましたし、非人間的な扱いですね。
実は、私が弁護士になって一年ほど経った時、5〜6人の弁護士で強盗殺人事件の被告の代理人となり、法廷で弁護活動をしました。この事件は一審で無期懲役の判決が出ました。そして結論から言いますと、二審(高裁)では無罪となりました。それも完全無罪の判決でした。つまり、「疑わしきは罰せず」ではなく、「被告人が犯人であるはずがない」という判断でした。ですから、検察は控訴もしなかったですね。
裁判では、犯行に関係しているとされた凶器が三つありました。そのうちの二つは所在があきらかでしたが、実際の犯行に使われたとされた残る刃物が見つからない。海に捨てたと供述して探したが発見できなかった。一審では、容疑者が捨てたと言ってるんだから、そうだろうということだったんです。
小泉それで、無期懲役の判決が出たということですね。
白川その肝心の凶器がどこにあったと思いますか、小泉さん。
小泉海に捨てたから見つからなかったんですよね。
白川実は、検察庁の倉庫に別の事件の証拠品として眠っていたんですよ。
小泉ええーっ!
白川その証拠品と対面するときは興奮しましたね。というのは、この事件の被告は在日の方で、以前、外国人登録証の不携帯で捕まったことがあり、その時にクルマから「銃刀法違反容疑」で押収された刃物だったんですね。ですから、強盗殺人事件の凶器とは考えられないわけですね。
私は、すべての検事が、証拠を隠滅したり隠したりしているとは思いません。100件のうち95件くらいは検察官の言うとおりでしょう。被告人からすれば「ちょっと違うところもある」という程度のものも含めてですが。
ただ、5件くらいは「全く違う」という事件もあるのではないですかね。多くの刑事裁判を経験しましたが、私自身も「誰が犯行に及んだのかわからない、この被告人なんだろうか」と思ったことも度々ありました。検察官だってそう思うこともあるのではないですか。
当然ながら裁判官だって、迷いながら裁判を進めることもあると思いますね。裁判官だって「神ならぬ己」が人を裁かなければならないという不遜さを覚えて、思い悩む人が多くいるのではないか。検察官も神になってはいけないんですよ。お互いが人間であり、時には間違いを犯すこともあるという心で全体を見ればいいのではないですか。
弁護士として完全報酬主義をとらない理由
小泉最近、債務整理に関して弁護士や司法書士の広告をよく目にしますが、相談料無料とか書かれているものもありますが、実際そうした相談や実務に関しての費用についてわからない点が多いのですが。
白川役所などが「無料法律相談」をしていますね。弁護士や司法書士の一部も「相談無料」と言いますが、それはあくまで相談までです。
ある人の借金問題を受けて、貸業者と交渉したり、裁判を起こすことになった場合、それも無料ですよということではありません。だから、弁護士報酬というのは依頼者にとっても必要となりますし、それで生きている弁護士にとっても大事ですね。
よく「完全成功報酬主義」という弁護士もいます。着手金は要りませんという広告があります。私たちも過払金があることがあきらかな場合は、業者からいくら回収して、借金をそれで消し弁護士報酬をいただいて、いくら依頼者に戻せるかわかる場合もあります。そういうケースでも、私は少ないけれど着手金はいただきます。
日本の多くの弁護士は成功報酬主義は取らないですね。依頼者の中には「過払金が戻ってきたら、成功報酬としてすべて弁護士さんに差し上げますから、着手金はタダにして下さい」という人もいます。でも、その場合も「月一万でいいから払って下さい」と私は言います。「あとできちんと精算しますから」ということです。それが弁護士としての基本です。
アメリカでは「完全成功報酬主義」が多いそうですが、なぜ日本はそれをしないか。それは、完全成功報酬主義でやると、裁判で勝つためには何をしてもいいという気持ちが生まれるんですね。前半でお話したように、証拠を偽造したって勝てばいい、そこにつながるから、完全成功主義をとらないわけです。もちろん一切費用を取らないでボランティアで弁護しなければならないこともありますが、それも「法律補助制度」がありまして、弁護士費用が無い場合は「法テラス」から補助金が出て、弁護士費用もそれで立て替えてもらうことができます。
小泉今日は白川さんの弁護士活動での貴重な体験をうかがい、また弁護士報酬についてわかりやすく説明していただき参考になりました。
白川世の中には、いろいろと面白いことがあるわけで、興味を持って知ればそれが実際に生きることになりますからね。

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