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ごごばん! デイリースペシャル 〜法律クリニック〜 2011年9月13日 火曜日 (第32回)
テーマ
債務整理の相談。事前に準備する事は?「思い立ったが吉日」
話者名 | 話の内容 |
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上柳 | さて毎週火曜日この時間、ごごばんリスナーのあなたの「法律の問題」についてお話をうかがっています。「ごごばん!法律クリニック」。スタジオにはお馴染み、白川勝彦法律事務所所長、弁護士歴39年の白川勝彦弁護士です。今週も宜しくお願いします。 |
白川 | 宜しくどうぞお願い致します。 |
増山 ・堀 | 宜しくお願い致します。 |
話者名 | 話の内容 |
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上柳 | では早速、今日のご相談内容です。今日は匿名、自営業の方、男性からのメールです。 |
増山 | 私はいま、債務整理を考えています。弁護士の先生のところへ相談や手続きのお願いに行こうと考えているんですが、相談へ行く際に、準備をしていったほうがよいものはなんでしょうか。事前にやっておくべきことなどがあれば、教えてください。 |
上柳 | この、白川勝彦弁護士事務所で出してらっしゃるパンフレット…小冊子があるんですけども、そちらにも、3つのポイントが ─ 「債務整理の3つの方法」と、こういうのがありますけども。また今日も、ちょっとそのお話になりますね。 |
白川 | 確かに、今までこの番組でも、色んな形で債務整理の問題を、質問があったり答えてきたつもりだったんですが、私、やっぱりうっかりしてましたね。いうならば、これは一番初歩の質問ですよね。 今までが、難しい問題。中級編とか、中には上級編があるんだけども、債務整理を考えている人の一番最初の準備を、私は殆ど、話しをしなかったかな、と。そういうことが足らないから、こういう質問がきたんだと思うんで。そんなことをちょっと踏まえて、お話しをしたいと思うのですが。 |
上柳 | じゃあ、基礎の基礎で。 |
白川 | そうですね。基本的にはですね、特に準備していただいたり、これがなくては出来ないとかというようなことは、一切ないと言っていいと思います。そんなことよりも、債務整理をしようとなると、皆、考えるんですよね。他の人に迷惑がかかるんじゃないかとか、家族にバレないかとか …… と、いうようなことを考えたりして、躊躇する人が多いんですよ。 最終的には、色々なことがあるかもわかりませんが、そういうことを含めて、むしろとにかく、毎月毎月の支払いがきついなと考えていたら、それでなんとかしたいなと思ったら ─ 「思い立ったが吉日」という言葉がありますよね。その、思い立った時に、とにかくやっぱり勇気を出して、 弁護士事務所に行くとか、色んな広告とかに無料相談とかってありますから、そこで電話してみることが、実は、債務整理・借金問題解決の、一番大事なことなんですよね。 その決断さえできれば、あとは我々プロが、なんとでも応援できますので。 とにかく「思い立ったが吉日」と、その時にすぐに電話するなり、お伺いして話をすることが、むしろ一番基本なのかなと。それさえあれば、後はプロである我々弁護士が考えることで、そういう面では、『特に必要なものはありません』と、まず冒頭お答えします。 ただ、依頼する意思が固いんだと。今日行ったら先生に頼むつもりだというんであれば、しいていえば、印鑑とか免許証とか保険証とか…自分の生年月日・住所等明らかにする、身分証明証の類ですね。それから、今使っているカード等があったら、それは普通持っていると思いますので、それを持ってくるのと。 それから、意外に我々プロから見ると、前の物は無くしても、先月払った時ATMから出される控えがあるんですよね。カードを持ってきていただくだけでも、あの中に、色んな情報がみんな入ってますから、あれがあったら、持ってきてもらえれば大概のことは分かる ─ と、こうお答えした方がいいかと思います。 あんな小さいのは普通、すぐ捨てるようなものがあるんです。だけど、あれは、もし債務整理をするのであれば、非常に大事なことですから。ああいうのは、持ってきてもらえれば助かります。 ただ、もうちょっとこれを敷衍(ふえん)しますと、債務整理には、堀さん、だいたい今まで3つあると言ってましたよね……だいたい、分かります? |
堀 | 任意整理・個人再生・自己破産。 |
白川 | 基本的にはですね、自己破産の場合は、あとで書類等は必要なのはありますけど、それは行ってから指示をしてもらうと思うんです。それから、民事再生の場合も同じですが、それもすぐ必要なんじゃなくて、手続きを進めるところで出してもらえればいいわけですから、急ぎません。 むしろ、任意整理の場合、破産でもない、それから民事再生でもない。基本的には、もう払わんものは払えなくしてもらって、法律上、払う債務については自分で払いたいという人の場合 …… 一番そういう人たちにとって大事なのは、今まで10万払ってたけど、それをいくら払えば、何年払えば終わるんだろうかという、それを知りたい方が多いんじゃないでしょうか。 その額が少なければ民事再生を頼もうと思うし、しかし、その額もあんまり変わらないようなら、頼んだってしょうがない、と。月々いくらで貴方の借金解決できるかと、ずばり診断するための資料があると、じゃあ、貴方の借金は、例えば3年半計画なら月々いくらです、と。だいたい、5年計画なんですが、『5年計画なら、いくらです』と。その額を聞きたいのならば、記録があった方がいいんですが、それは、また後でお話するのですが…… ただ、一番大事なのは、よく過払い金だとか減縮されたとかって、話をしましたよね。ただ、この方の場合ですね、もう契約書を無くしてしまった、と。それも、5年くらい真面目に払ってきたんだけども、その払った時にもらうATMから出てくるあれも、家族に見つかると嫌だから捨てちゃったと。だから、払ったという証拠が無い、と。だから、『出来るんだろうか』というお考えがあるかもわかりませんね。それも、まったく心配する必要はありません。というのは、法律上ですね、貸金業者はいくら貸したか、いくら返してもらったか、そういう記録を全部とっておきなさい、と… |
上柳 | 先方に、ちゃんとあるわけですね。 |
白川 | 備え付けておかなければいけないんです。そして、それをもし弁護士だけでなくて、本人からも、履歴を開示するように、見せてくれと言われたら、開示しなきゃならない。法律上の義務があるんです。 それをしなかったら罰せられますから、そういう記録は逆に、業者が持ってます。 僕は長年やってますが、それにはいい加減なものは書いていません。だから、『そういうものが無くても、過払いだとか減額は出来るんですよ』と。逆に、そういうものが無いからダメなんじゃないかなと思っている方もいると思うんだけど、それを今日は、一番お話した上で、覚えておいてもらえればと思います。 |
上柳 | 書類等持ってないけど、不安だけども、それは大丈夫、と… |
白川 | それで月々の額いくらで済むかと知りたければ、むしろ逆に、業者に言えば…履歴を送って下さいと言えば、すぐに送ってくれますから。それを持って弁護士事務所に来ると、特に任意整理の場合は「月々いくらくらいで何年間で済みますか?」というのが計算できるっていう事なんですね。そんなことで、よろしいでしょうか。 |
上柳 | そこが「思い立ったが吉日」という… |
白川 | そこがむしろ一番大事ですね。 |
上柳 | お時間でございます。白川勝彦弁護士でした。どうもありがとうございました。 |
白川 | どうも失礼しました。 |
増山 ・堀 | ありがとうございました。 |
上柳昌彦氏・ 増山さやか氏 = ニッポン放送アナウンサー / 堀ちえみ氏 = タレント曜日パートナー (文中敬称略) | 第31回 | TOP[t] | 第33回