内需システムの改革
09年04月18日
No.1145
今日は全国的に初夏のような良い天気だという。春の行楽に出かける人もいるのではないだろうか。私はいつものように仕事である。慣(な)れっこになっているのでどうということはない。あと2週間は仕事に専念する予定である。5月3日(日)の憲法記念日からの4連休は、少し休もうと思っている。5月7日(木)と8日(金)を休みにすれば、5月3日~10日までの8連休となる。今年はそうする人が多いようである。
今年のゴールデン・ウィークは、数年ぶりの人出のようである。原油価格の値下がりで飛行機のサーチャージがなくなったこと、高速道路1000円乗り放題がかなり影響しているらしい。株価は確かにかなり回復しているが、各種の経済的数値は依然として深刻である。多重債務の相談や依頼に訪れる人の生活環境は悪化している。経済が決して良くなっているいる訳ではないのに、数年ぶりの人出だということは何を意味しているのか。少し考えてみる必要がある。ちなみに昨年はガソリンの値上がりと道路特定財源の暫定税率復活で大騒ぎのゴールデン・ウィークだった。
旅行産業というのも、大きな産業である。典型的な第三次産業だ。海外旅行の一部は外需であるが、基本的にはその多くが内需である。経済を活性化させるために必要なことは、内需システム的を活性化させることである。旅行という需要は、移動経費・宿泊費・食事費・観覧料などの旅行特有の経費等々によって構成される。これらのいずれも第三次産業である。移動経費(鉄道運賃・飛行機運賃・船舶運賃・自動車のガソリン代・高速道路通行料・リフト代金など)には、構造的に改善すべき構造が沢山ある。サーチャージ低減や高速道路1000円乗り放題などは確かに移動経費を少し軽減した。しかし、構造的な改革とはどうしてもいえない。
日本の場合、宿泊費などに改善の余地がある。日本の旅館に宿泊した場合、宿泊費と食事費が基本的にセットである。旅館としてはセットでないと儲からないし、旅行者としてはセットのため高すぎるのである。食事が魅力の時代もあった。しかし、現在では旅行だからといって盛り沢山のご馳走をそんなに食べたいと思っていないのだ。外国旅行では宿泊費と食事代はハッキリと区別されている。
日本は高齢社会に突入している。高齢者の場合、そこそこの貯蓄と時間はかなりある。そんなに多く食べたいと望んでもいない。この点に着目すれば、旅行経費を削減することは十分に可能である。そのことにより旅行需要が増えれば、トータルとして旅行業界のパイは大きくなる。民営化したといってもJRの列車は空気を平気で運んでいる。空気を只で運んでいるくらいならば、鉄道運賃などかなり安くすることができる筈だ。時間帯料金制の導入である。
こういうことの改善を行うのが“構造改革”というのだ。小泉構造改革はこんなことなど少しも触れなかった。そして確か1000万人外国人旅行者の受け入れなどとホザイていた。内需を活性化するシステムを構築し、内需を増大させることが本当の経済対策なのだろう。そんな目で自公“合体”政権と民主党を中心とする野党の“百年に一度の経済危機”に対する緊急経済対策をみる必要がある。50歩100歩という感もするが、少しの差異はあるのだろう……。
それでは、また。