うまい話には裏がある。

09年02月18日

オバマ米大統領の人気は絶頂のようだが、オバマ政治は必ずしも順調に進んでいるとは思われない。何人かの閣僚が就任早々に辞任している。私が嫌な予感をもったのは、オバマ上院議員の後任を指名する過程の疑惑で、イリノイ州知事が弾劾されたことである。イリノイ州知事といえば、オバマ米大統領の地元の州知事だ。少なくとも日本では、地元が安定していない政治家は要注意だ。

昨日クリントン国務長官が朝早くから精力的に動いた。オバマ米大統領が2月24日ホワイトハウスに麻生首相を招待するという“おまけ”まであった。その麻生首相はといえば、とんだ窮地に陥っている。“火だるま”総理である。もう首相の体をなしていない。そんな麻生首相をホワイトハウスに招待したところで、日米友好関係のためにならないし、オバマ米大統領に対する日本人の共感を削ぐことになる。なんでこんな愚策をするのだろうか。オバマ米大統領の周辺は政治的センスがなさ過ぎる。

“上手い話には必ず裏がある”は、世界の常である。クリントン国務長官の過剰なパフォーマンスを素直に受け取れない、というのが私の率直な感想である。日米関係を本当に大切に思うならば、自然かつ洗練されたパフォーマンスが最善である。アメリカ大統領選挙を戦い抜いたクリントン国務長官に、こんなことが分からない筈がない。オバマ米大統領周辺の能力不足である。私は反米でもなければ、従米でも唯米でもない。戦後の日本と日本人はアメリカから実に多くのものを受け入れてきた。私はその事実を素直に評価する方だ。

悪いことより良いことの方が多かったと私は思っている。しかし、アメリカのやり方が変われば、こうした考えも変化する。アメリカもこのことを考えながら行動しなければ、世界中で友人を失う。世界の人々は従米主義者や唯米主義者ばかりでないことをアメリカは知らなければならない。ブッシュ前大統領に代表される最近のアメリカの行動には世界中で多くの人々が反感や嫌悪感をもっていた。オバマ米大統領は国民の絶大な支持を力にしてアメリカの行動をチェンジしなければ、世界中の人々から反感と敵意をもたれる。

それでは、また。

• 09å¹´02月18æ—¥ 12時06分AM 掲載
• 分類: 3.国際政治・外交
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