大御心(おおみこころ)
08年02月11日
No.705
今日は三連休の最後の日である。今回の三連休は、ハッピーマンデー制度によるものではない。土日と2月11日の建国記念日がたまたま連なったものである。建国記念日が国民の祝日に制定されたのは、1966年(昭和41年)であり最初の建国記念日は1967年(昭和42年)2月11日であった。かつて2月11日は紀元節と呼ばれた。1873年(明治6年)に、祝日にされたものである。11月3日の文化の日は天長節と呼ばれていた。明治天皇の誕生日であった。
2月11日を建国記念日として祝日にすることには多くの反対があった。ちょうど私が学生時代に、こうした動きは活発だった。紀元節を復活するというイメージが強かったからであろう。天皇の命により戦争に駆り出されたと考える人たちには、日の丸や君が代に特別の想いがある。紀元節の復活にも同じ想いを抱いたのであろう。私はそういう人たちの想いを否定しようとは思わない。明治憲法に定められた神権的かつ専制的な天皇制は、ひとつの政治的価値観なのである。
建国記念日は『日本書紀』の記述に基づいている。『古事記』や『日本書紀』は、冷静に考えれば古い部分は神話的である。どの民族にも国の成り立ちや理想などを綴った神話がある。『古事記』や『日本書紀』を神話として、ロマンをもって楽しく語れる時代が早く到来しなければならない。そして明治憲法の神権的かつ専制的な天皇制と現在の憲法に定められている天皇制は峻厳しなければならない。わが国の右翼反動は、このところがごっちゃになっているのである。だから素直に国民に受け容れられないのである。
いま毎日のように議論している道路特定財源の暫定税率の延長を含んでいる租税特別措置法改正案が可決された場合、それも法律であるから天皇の御名御璽で公布される。国民をこれだか苦しめ、国民が強く反対している法律を天皇の御名御璽で公布することには、昔ならば「大御心(おおみこころ)に沿わない」という反対論を主張する政治家がいたであろう。もちろん現在の憲法で、天皇が法律の公布を拒否することはできない。しかし、「大御心」とは良い言葉ではないか。自公“合体”政権の政治家たちは、「大御心」などという言葉を知らないのであろう。嗚呼・・・・。
それでは、また。