台風あれこれ
07年09月07日
No.542
昨日のNHKは、午後からずーっと台風の報道をしていた。他の番組はすべてキャンセルようなの状態だ。皆さまのNHKとしては必要なのであろうが、ここまで台風情報を流さなければならないのかとも思う。いまこの文章は、暴風域の真っ只中にある東京で書いている。外では雨が降っている。しかし、風はそんなに吹いてはいない。これから風は強くなるのだろうか。雨は“局地的”には、これから400mmくらい降るという。果たして都心ではどうなのであろうか。
新潟県と東京で育った私には、台風というのは本当のところ分からない。私たちはNHKの昨日のような報道で台風を知ることになるのだが、例えば半径300kmの暴風域のところは、全域で暴風が吹いていると思っていたのだが、どうもそういうものではないらしい。雨が今後300mmも降るというと暴風域全域に300mmも降ると思うのだが、これもどうもそういうものでもないらしい。もっとも半径300kmの地域で本当に300mmも雨が降ったら、それこそ大変なことになるだろう。ノアの洪水に近いものになるだろう。
それにしても都心でもけっこうな雨が降っている。この数日間に多少の雨は降ったが、いずれにしても“お湿り”にもならないような雨だった。例えば3日前であった。ちょうど明治神宮の境内を“散歩”中に夕立がきた。これは恵みの雨だと思っていたら、この夕立も直ぐに止んでしまった。夕立が直接当たったところでは道路も湿ったが、樹木の下などはほとんど濡れていなかった。9月の雨は、都心ではこんな調子であった。
都心で昨日来の雨が累計でどのくらいになるのか知らないが、もうかなり降ったことは事実である。これで樹木も当分は大丈夫だ。もう降らなくともけっこうである。どうも都合良くいかないものである。道路の上にタップリ降る雨は、道路をきれいにする。アスファルトの道路にタップリの雨が降ると、道路の端はかなりの雨が流れる。そのときにゴミや塵芥(ちりあくた)をきれいに流してくれるのである。よく台風一過といい、台風の後の晴れ空は格別にきれいだという。実は台風一過の地上もきれいになっているのである。
もう一つ台風の効用があるらしい。この前沖縄1区で当選している下地幹郎衆議院議員と会ったとき聞いた話だが、下地氏にいわせれば「今年の夏が暑いのは、台風が少ないからだ」というのである。台風がないから海水温が上がっているので、気温が高くなっているのだという。沖縄といえば、台風の本場だ。従って、下地説も意外に根拠があるのかもしれない。そうすると今回の台風9号が東海・関東の気温に関係ありそうな周辺の海を十分にかき回してくれたので、その海の表水温をかなり下げてくれたのではないか。台風9号が過ぎ去った後、気温がどうなるのか私は関心をもっている。下地説が正しいかどうかの重大な分かれ目だ(笑)。
外の雨はときどき激しく降っている。風も少しは吹いてきたようだ。しかし、台風をあまり知らない私には、これが“暴風域”のど真ん中にいるという実感はピンとこないのである。もう一つ、台風にまつわる感想。台風情報の報道には、石廊崎とか御前崎とか枕崎などという地名が出てくる。こうした地名を聞くと中学生のころ観た映画『喜びも悲しみも幾歳月』を思い出す。“おいら岬の燈台守は……”という歌も浮かんでくる。佐田啓二と高峰秀子が出演した懐かしい映画だ。子供心に大きな感動を覚えたものだった。昔、学校で映画館に連れて行って映画を観せてくれることもあった。そのちょっと前には、夜学校の体育館で映画の上映会があっりした。昭和20年代の後半のことである。昭和は遠くなりにけり、ということか……。
それでは、また明日。
注 :この文章を校了した時点では、台風の中心は伊豆半島の付け根付近にあるという。そうするといま私のいるところから、数10kmくらい離れているということか。さて、今夜、台風9号は都心ではどうなるのだろうか。外の様子が気になる。
