真央ちゃん、有難う。
14年02月21日
No.1655
この40時間ほど、私の気持ちは複雑だった。浅田真央さんのフィギュアスケートが原因である。本当ならば、読者諸氏と同時進行で喜びを共有できたら良かったのだが、真央ちゃんのショートプログラムの成績があのような状況だったから、永田町徒然草はもちろん、facebookやTwitterにも何も書けなかった。今日未明のフリーの演技が終わった時から、“この事態”をどのように消化すればよいのか、私は、解がなかなか見つからなかった。
今日は一日中、いろんな番組で女子フィギュアのことが取り上げられていた。そして、各番組の結論は、ほとんど同じようなものであった。“あの事態”の中、真央ちゃんのフリーの得点は142.71で、自己記録を更新した。本当に素晴らしい演技だった。不運の中にも、何か救われるものがなければ、あまりにも悲し過ぎる。自己記録更新は、天が彼女に与えたご褒美なのではないか。
私は、浅田真央さんを通じて女子フィギュアの素晴らしさを知った。私は、真央ちゃんの熱烈なファンの一人となった。だからこの4年間、真央ちゃんが出場する試合は、ほとんど見た。不調の時期もあったが、真央ちゃんは一段ずつ、ソチ・オリンピックのゴールドメダリストに相応しく育っていた。多くの人々が、真央ちゃんの金メダルを願うようになった。
私も、その一人であった。ソチ・オリンピックの私の関心は、その一点にあった。だから、他の競技のことはあまり関心がなかった。そして、遂にその日がきたのだ。ショートの最終章で、“あの事態”が起こったのである。流石にショートのあの成績では、金メダルは絶望的となった。しかし、真央ちゃんの金メダルを長い間夢見ていたファンの気持ちは、治まらない。今日未明のフリーで、真央ちゃんは奇跡を起こしてくれたのだ。
真央ちゃんは、ソチ・オリンピックをスケート人生の区切りにする、と前から言ってきた。たぶん、現役の選手としては、もう競技には出場しなくなるのだろう。15歳から約8年間、真央ちゃんは日本女子フィギュアの華であった。日本女子フィギュアの希望であった。金メダルを胸にはできなかったが、真央ちゃんはいつも、多くの人々に夢と希望を与え続けてきた。そして、素晴らしい演技で最後を締め括った。
真央ちゃん、本当にありがとう。
それでは、また。