一害を除くことに専念せよ!
09年01月16日
No.1054
民主党は、イマイチ得体の分からない政党である。あれだけ厳しく非難していた2兆円の定額給付金反対の旗を実質的に降ろしてしまったようである。詳しいことはテレビニュースだけなので分からないが、あり得ることである。道路特定財源の暫定税率反対の時もそうだった。あの時は唖然とした。
今回もそうなのだろうか。もしそうだとしたならば、国民の不信感を買うであろう。定額給付金の最大の問題は、税金の使い方なのである。それ以外の何物でもない。2兆円の税金を納めることは国民にとって大変なのである。その税金を無駄に使って欲しくないという素朴な感情なのである。この感情は民主政治の原点である。民主党は政府(官僚)の無駄遣いを徹底的に見直せば、十数兆円の財源など簡単に捻出できるという。
十数兆円の無駄遣いを止めさせることは大いに結構なことだが、本当にそんなに無駄遣いがあるのか私は少しく疑問をもっている。しかし、2兆円の定額給付金は完全な税金のばら撒きである。明らかな政治的無駄遣いである。それを体を張ってでも阻止しようとしないようでは、官僚の無駄遣いを廃し十数兆円の財源を捻り出すことも疑わしくなる。不明確な十数兆円の話も結構だが、目前の2兆円に専念せよと言いたい。これは「興一利不若除一害」の簡単な応用問題である。
3年後に消費税をどうするかで自民党が揉めている。自公“合体”政権がどのようなことを決めようが、国民はそんなものに拘束されない。3年後に消費税をはじめとする税をどうするかは、3年後に国民がこれを決める。既に国民の支持を失っている自公“合体”政権が決めることなどできない。付則に自公“合体”政権がどう書こうが、国民はそんなものに拘束されない。
もし国民の意思に反することを自公“合体”政権が書き込んだとしたら、自公“合体”政権に取って替わった政権が変更することになる。いつまでも自民党や公明党が政権にいるというのは、奢り以外の何物でもない。まあ、好きにさせれば良い。あまり意味のないことを付則に盛り込ませようというのは、財務官僚の入れ知恵なのであろう。姑息で政治音痴な官僚がやりそうなことだ。物分りの良い民主党の政策通議員などは、このような財務官僚にコロッと手懐(てなず)けられてしまう危険性大である。一害を除くことに専念せよ。未来はそこから生まれる。
それでは、また。