40年前の冬は…
08年12月27日
No.1033
昨日から東京は急に寒くなってきた。西高東低の季節の到来である。私の郷里である新潟県では雪が降っているようである。スキー場のある地域は一息ついているのではないか。本格的な冬がきた。
小さい頃、雪のない正月は子供たちだけでなく大人にとっても、ひとつの憧れであった。年末になっても雪が降らないと、ひょっとして雪のない正月が来るぞと心ときめきながら話したものだ。だが、大晦日が近付くと非情にもやはり雪がモクモクと降ってくるのである。儚い希望は消え失せてしまった。それからは丈(3m)余の雪が積もる。私の郷里、十日町は日本一の豪雪地なのである。
豪雪の地で生きてきた者にとっては、寒さなど大したことではない。動き回ることに支障がないではないか。昭和40年頃まで、雪が積もると豪雪の地では自動車が使えなかった。人々は黙って雪道を歩き、荷物は橇(そり)で運ぶしかなかったのである。これが、ほんの40年前までの現実なのだ。私はそういう豪雪の地で育った。100年前は明治の終り・大正の初めである。
“100年に1度という危機”という言葉を私があまり使わないのは、こうした事情による。100年という歳月は、人類にとって決して短い歴史ではない。私たちが直面し、乗り越えなければならない問題はそんなに大事なのであろうか。政治が本気で取り組めば必ず克服できる問題であると私は思っている。“100年に1度という危機”などというのは、責任を回避しようという魂胆からなのである。
それでは、また。