年末のある一日
08年12月16日
No.1022
12月14日の日曜日、私は1日中仕事をしていた。昨日の午前10時から担当している刑事裁判の公判の準備のためである。予定通り午前10時から公判があった。午前中は裁判であった。裁判は結審し、次回は判決の言い渡しである。裁判終了後、被告人と家族と昼食をとりながらいろいろな話をした。この家族に嬉しい正月を迎えさせてあげたいと強くと思った。
家族の一人が刑事事件で逮捕勾留されるということは、その家族の一大事である。接見が禁止されることも多い。その場合、被告人と接見(面会)できるのは弁護士だけである。家族ができるのは、衣類などの差入れだけということも多い。ある家族や家庭の一大事に係わることは、弁護士の仕事の重要さを実感する一場面である。私は刑事事件の弁護を依頼された場合、できるだけその要望に応えることにしている。
しかし、刑事弁護を受任すると私のスケジュールは目茶目茶になってしまう。身柄を拘束された直後の刑事事件を受任した場合は特にそうである。私は被告人とできるだけ接見することが刑事弁護の基本であると考えている。だから、被告人が東京もしくはその近くでないと受任することはまずできない。接見することができないからである。接見が十分できなければ、適切な弁護はできない。刑事弁護というのは職人芸みたいなものである。弁護士が手間暇(てまひま)を惜しまずに行う仕事だからである。
ちなみに、訴追されている者を刑事事件では“被告人”といい、民事事件では“被告”と呼ぶ。
日曜日に一生懸命に仕事をしたものだから午後からは休みたかったのだが、事務所に帰るとまた忙しかった。12月になるとやはり債務整理をしたいと思う人が多くなるようだ。厄介なことや懸案を片付けて新年を迎えたいのは日本人のメンタリティである。私も年が変わることを“重大事”と考える方である。
どういう理由であれ、債務整理を思い立つことは好いことであると思っている。弁護士に債務整理を依頼すれば、必ず適切なサポートをしてくれる筈である。借金で悩んでいる人はぜひ弁護士に相談することをお勧めする。
それでは、また。