福助の頭!?
08年11月19日
No.995
昨日の永田町徒然草に「経済通の言うことは、“後で言うのは福助の頭”という感がする」という記述がある。このたび私が世に問うた拙著『政権崩壊』は、“後(あと)で言うのは“福助の頭!”との小見出しから始まる(同書6頁)。ところが、事務所の若い女性から“後で言うのは福助の頭”とはどういうことなのですか、といわれた。私は“時代”を感じざるを得なかった。
ミソは、「言う」と「結う」にある。すなわち「いう(yiu)」と「ゆう(yuu)」の違いである。“yiu”と“yuu”は極めて発音が似ている。ここまでは若い人にも何とか理解できるのが、“福助の頭”というところがどうも分からないらしい。私たちの時代にはいろいろなところに福助の置物や画があった。“福助足袋”という有名な足袋メーカーもあった(現 福助株式会社)。私が子供の頃には下駄もあった。下駄を履く時は靴下よりも足袋が断然よい。私たちが小さい頃には、足袋で冬の寒さを凌いだものである。今は昔である。
福助の画を見ただけでは分からないが、福助の置物をみると“福助さん”の頭は、後(うしろ)のところをチョンと結んでいる。すなわち“結う(yiu)”てあるのである。そんなことから、結果が出てから得々と後講釈(あとこうしゃく)をする人を揶揄して“後でイウのは福助の頭”というのである。政治や株の世界では、この“福助の頭”が多い。私は株もやらないし、競馬もやらない。しかし、競馬の実況中継を見るのは好きである。競走馬が走るのは美しい。競馬解説というのか競馬コメンテーターというのか知らないが、彼らの“予想”が当たるかどうかもひとつの見所なのだ(笑)。
「これに反して(11月17日の)NYダウ平均は-223.73ドルで終わった。まもなく東京市場が開く。昨日政府は景気後退を“正式”に認めた。為替相場もドル高で終わった。こういう条件下で、日経平均株価が上がるようなら東京市場も大したものであるのだが…」と永田町徒然草を結んだ。昨日は東京株式市場がどうなるのか気になって仕方がなかった。私の株価に関する記述をみて株を買う人などいないであろう(笑)が、株価に予想に関することを書くのはこれ限りにしたい。
政治情勢を分析することはこの永田町徒然草では避けられないが、選挙の予測をすることはできればしたくない。ハッキリと結果が出てくるからである。しかし、“政治的”にどうしても選挙の予測を述べなければならないときもある。私の予測によれば、現状ではまだ民主党を中心とする野党が首班指名で勝てる議席を獲得できるという確実な展望がない。来るべき総選挙は、首班指名で勝てる議席を野党が獲得できなければ、“勝利”とは言えない。私は来るべき総選挙でどうしても勝利したいのである!
それでは、また。
Webmaster補足 : 福助株式会社は、足袋装束店「丸福」として1882年創業、1919年に福助足袋株式会社設立。1964年に福助株式会社に社名変更。本社東京 資本金7億9000万円 [詳細-Wikipedia]