炎天下の散歩の効用
08年08月04日
No.890
「今日の私の仕事は1本の原稿を書けばよいだけだ。時間はある。こういうときは“覚悟”を決めて炎天下の散歩をしてみようと思っている。もちろん熱中症対策は怠らないつもりだ。暑さに堪えるには、暑さに強い体を作るのがいちばん良いというのが私の生き方である」と昨日書いた。
そこで永田町徒然草をupdateして一休み。起床して午前10時過ぎには原稿を書き上げ、宣言(?)どおり炎天下の散歩に出かけた。明治神宮に向かうのは、今年確か2度目である。こんなことだから、体重が増える筈だ。薄曇であったが、気象情報どおり十分に暑かった。自宅から明治神宮までは、2500歩強。時間にして30分弱だ。服装は木綿の長袖のジャージである。膝にはサポーターを付ける。
原宿門から明治神宮に入る。原宿門の鳥居はまだ修理中であった。原宿門から代々木門の鳥居まで歩く。玉砂利を敷いた参道が約1キロつづく。代々木門の鳥居を回り、横道を通り宝物殿前に向かう。この横道が私は好きである。神宮の杜に切り開かれている細い横道だ。参道ではないので玉砂利は敷かれていない。まさに武蔵野の細道という感じだ。
宝物殿前には芝生の広い広場がある。暑いので人はいなかったが、春や夏の休日は家族連れなどが三々五々楽しんでいる。宝物殿前にはベンチがあり、灰皿もあるので、私はここでタバコを一本吸うことにしている。宝物殿の横には武道場と弓道場がある。その横を通り、参宮橋門の鳥居に到る。この門の先には小田急線の参宮橋駅がある。“健康生活”に励んでいたときには、その周辺もかなり散歩した。
暑いので参宮橋門の鳥居で回り、本殿へ向かう。参宮橋門から本殿に到る参道も私の好きなところだ。宝物殿前にある広大な芝生の広場を左に見ながら、右には神宮の深い杜がある、その間の広い参道である。原宿門から代々木門に到る参道のように全部樹木に覆われている訳ではないが、おおむね木陰のある参道である。参宮橋門からの参道は、本殿の横の鳥居に着く。その鳥居から入らずに私は本殿をぐるりと囲んでいる木塀に沿って歩く。ここも、なかなか雰囲気がある。
木塀の半分を回ると本殿の正面の鳥居と門がある。ここには多くの参拝客がいる。外国からの参拝客も多い。白人の参拝客は一目でそれと判るが、中国から来た人は言葉や仕草を観察しないと判らない。私は中国語がまったく分からないので、台湾からの旅行客か大陸からの旅行客かは判らない。韓国からの旅行客も多いのだろうが、中国人ほど目立たないような気がする。もちろん日本人がいちばん多いのだろう。若い人が多いのには驚く。
本殿で参拝し、今度は本殿からみて右側の門から先ほど通った参道に出る。右に折れて原宿門に向かう。明治神宮の散歩は、木陰でないところを歩くのはほんの少しだ。アスファルトの道もほんの僅かしかない。私が、できれば明治神宮で散歩をしたいと思う理由は、ここにある。しかし、明治神宮は公園ではないので、服装には注意しなければならない。敬虔な気持ちで参拝される方に不快感を与えるような服装は慎まなければならない。
以上のコースを歩くと約7000歩、時間にして神宮内だけで小一時間だ。ほとんどが木陰であるといってもこの暑さである。ジャージは汗びっしょりになっている。原宿門を出るともう木陰はない。竹下通りか表参道を通って、自宅に向かう。全部アスファルトの道だから、照り返しもあって頗(すこぶ)る暑い。首に巻いているタオルはもうびっしょりである。自宅について冷たいシャワーを浴びることをイメージして私はひたすら歩く。暑いが、もう大丈夫だ。
自宅に帰って万歩計をみると1万3000歩弱であった。テレビを見ながら、タバコを楽しみつつ吸う。20分くらい、できるだけの汗を、出るだけ出す。おさまったところでシャワーを浴びる。少し落ち着くと、お粥パックの昼食を頂いた。温めないでそのままで食べる。夏のお粥は胃に優しくて体に好いそうである。それから昼寝をした。涼しい風が入ってくる訳ではないが、もう暑くはない。昼寝から起きて本を読んだ。気温はそんなに下がっていないと思うのだが、あの暑さの中を歩いた体には爽やかに感じる空気が流れる ─ これが炎天下の散歩をした効果である。
それでは、また。