99里をもって半ばとする。
07年05月25日
No.436
大相撲夏場所12日目に、1敗の横綱朝青龍が大関千代大海に敗れたために全勝は白鵬ただ一人となった。これで白鵬は優勝に大きく近づいたといわれているが、白鵬ファンの私としては安心はできない。相撲はあくまでも一番一番の勝負である。12日間勝ってきたからといって今日勝てるとことにはならない。残り3日間のうち2番勝てるということにもならない。あくまでも一番ずつ勝って、14勝してはじめて優勝が確定するのである。
白鵬がこの3日間に戦わなければならない相手は、今日が大関琴光喜である。明日は千代大海であろう。千秋楽は朝青龍であろう。琴光喜は好調である。これまでの白鵬との対戦成績もそんなに悪くはない。白鵬にとってはなかなかの強敵であり油断はできない。千代大海が昨日のような戦いをやれば、手強い相手である。千代大海には失礼ないい方であるが、腐っても大関である。しかも今場所は腐っていない。朝青龍についてはいうまでもない。昨日の千代大海戦でも、最後の最後まで粘った勝負に対する執念は流石だと思った。白鵬は先場所のホンワリでは朝青龍に負けている。3人とも手強い相手なのである。
私は今回どうしても白鵬に優勝してもらいたいと思っている。そして横綱になってもらいたいのである。チャンスというものは、そんなにないものである。今場所横綱にならないとまた相当時間がかかると思うのである。綱取りのチャンスというものは、そう来るものではない。前回の綱取りのチャンスのとき、私はファンとして本当に一喜一憂した。そのときの落胆は大きかった。また横綱になるということの難しさをつくづく痛感した。横綱になる素質をもっている大器だということと横綱になることは、まったく違うのである。気迫と運がなければ、横綱にはなれないのである。
私が白鵬ファンになったのは、白鵬が十両のころからである。白鵬の柔らかくて粘りのある体格は、若き日の大鵬を彷彿とさせたのである。この男はきっと大横綱になると私は思ったのである。入幕以来順調に昇進した。大鵬のように順調に横綱になると思っていたが、やはりいくつかのハードルがあった。怪我で一度は琴欧州に追い越された。前回のチャンスのときは、自壊した。綱取りの重圧に押し潰されてしまった。精神的な弱さの克服が白鵬の課題となった。魁皇もそのために横綱になるチャンスを何度も逸した。これは筋トレなどで克服できない特別なことなのであろう。今日から白鵬の取組みの時間がくると私は息をのんでテレビに釘付けになるであろう。まだまだ安心はできない。100里の道は99里をもって半ばとするである。
それでは、また明日。