休暇スタイル考
07年05月01日
No.412
今日と明日は、4月28日から5月6日までの9日間で暦の上で休日でない日だ。いったいどの位の人たちが、今日仕事をしているのであろうか。この2日に有給休暇をとれば、9日間のジャンボな長期休暇となる。私の周辺でも9日間のジャンボな長期休暇を過ごしている人がいない訳ではないが、2割くらいというところか。景気が回復したといっても、バブル期のような浮かれた雰囲気はない。派遣社員やフリーターの人たちにはそもそも長期休暇など無縁な話であるが、これを論ずると長くなるので今日はこの問題には触れないこととする。
多くの人が9日間のジャンボな休暇としない理由のひとつに、学校が休みにならないということがあるのではないか。なんだかんだといってもわが国の受験戦争は激しいのであろう。大人が休んでも、子供は9日間も休んでいる訳にはいかないのではないか。このことに関して私には忘れられない思い出がある。リゾート政策の勉強をしていたとき、私は世界のリゾート地を3回にわたり視察旅行した。アメリカのリゾート地を視察していたとき、30歳代の父親と小学生の子供の旅行者と部屋が隣り合わせになった。10日間くらいそこに滞在するのだという。学校は休みなのかと訊くとそうではないという。
アメリカで勤労者が有給休暇をとることは、かなり自由だと聞いていた。しかし、子供が義務教育中の学校を休むのがそんなに自由だとは聞いていなかった。そこはどうなっているのか尋ねたのだ。父君曰く、「アメリカでは子供は親と過ごすことが教育上非常に大切なことと考えられている。だから父親と旅行に出かけるというのならば、学校はぜひ行ってらっしゃいと同意してくれるのだ。今回も学校から許可をもらってきたので、何の問題もない」 そういえば、子供に対する教育権は親にあるとする考えが強いということは聞いたことがある。そのことに思いをいたせは父君のいうことは非常に良く理解できる。怪しい私の英語でのやり取りだから正確でないかもしれない。しかし、長期休暇の時期でもないのに父子で10日間も自然豊かなリゾート地に滞在していたことだけは確かである。
働く人が自分の都合でかなり自由に有給休暇を取れることといい、親が一緒に過ごすために子供の学校を休ませ、またこれを許容する学校側の態度に私は感ずるところが大きかった。ライフスタイルも休みのスタイルも自由を認めることこそ、個性的な人間にとって大切なことではないのか。そのような社会でこそ、個性のある魅力的な自由人が育つのだと思うのである。休みであることは確かなのであるが、仕事の日と同じようなタイトな日程をこなす日本人の休暇のスタイルは、ちょっとこのようなスタイルと異なるような気がする。私の場合、ゴールデン・ウィークにジャンボな休暇を取ることはできなかったが、暇を作って個性的な休暇を過ごしてみたいと密かに狙っている。これは、決してひがみではない。
それでは、また明日。