「東京一極集中の解消」は、やはりわが国の最大の政治課題である。
17年02月12日
No.1894
この土日、私は郷里十日町市へ行ってきた。欠かせない所要で、どうしても行かなければならなかったのだ。鳥取市などで大変な雪が降っていたので、ゴムの長靴を履いて行った。十日町でも“もかもか”と雪が降ると、私は思ったのだ。十日町に着くと、雪は降っていなかった。やはり、長靴はちょっと大袈裟だったかと思った。十日町市の積雪は、1.5mくらいだ。十日町では、このくらいは小雪の方だ。
夜は、仲間と会食した。その場所へ行く時も、雪は降っていなかった。その席に、道路の除雪作業をしている仲間がいた。彼は、雪が降れば、早朝3時に出なければならない。今朝乗ったタクシーの運転手さんに聞くと、30cmくらい降っていたという。友人は多分、除雪に出掛けただろう。私が行った先は、ちょっと奥まった所だったが、長靴を履いていたので、少しも困らなかった。雪道には、やはりゴム長がいちばん強いのだ。
十日町の雪 2005年1月 白川写す
約24時間、私は十日町市にいた。改めて、私は雪国生まれ ─ そこで育ったことを思い出した。私が育った昭和30年代前半と現在では、雪国の生活スタイルも大きく変わっている。私が育った頃と比べれば、苦労がかなり減っているのは、確かである。しかし、雪が降るといろいろな苦労があるのには、変わりない。雪が降ると快適、ということはない。昔も今も、雪国の生活はやはり大変で、苦労が多いのだ。
私は、雪国の苦労だけを強調するつもりはない。日本列島それぞれの地域には、そこに住んでいないと分からない苦労があると思う。東京だって、東京で生活しないと分からない苦労がある。そういう生活の中から、それぞれの地域の生活スタイルが出来上がり、それが50年・100年と続くと、独特の生活スタイルとなるのだろう。数百年以上も続く生活スタイル中で築かれた独特の生活スタイルを、人は伝統風俗・伝統文化というのではないか。
いま、“地方創生”の必要性が叫ばれている。しかし、決定打はなかなか無いようである。敢えて地方創生などと言わなくても、いろいろな難点があり苦労を負いつつも、有史以来、それぞれの地域は独自の知恵と工夫を凝らして“それぞれの地方”を築き上げてきた。それぞれの地域が立ち行かなくなってきた最大の原因は、「東京一極集中」である。やはり、この大問題に取り組まなければ、地方はダメになっていくばかりであろう。
安倍首相の“日本を取り戻すという計画”にも、アベノミクスにも、東京一極集中の解消に取り組む方策はない。小池都知事の“東京大改革”にも、この視点はさらさらないようである。しかし、東京一極集中の解消は、政治が取り組まなければ、やはりダメである。安倍首相も人気絶頂の小池都知事も取り組まないとしたらならば、この課題を託すのは野党共闘しかないではないか。私はこれを、野党共闘の大きなテーマとするよう提言する。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。