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アメリカ第一主義とは、アメリカが好き勝手にやるということ。

17年01月21日

No.1890

このところニュース報道番組では、“トランプ、トランプ”と連呼するばかりだった。トランプ氏が大統領に就任したら、「日本はどうなるか? 世界はどうなるか?」という話ばかりである。そんなことは、決まっているではないか。日本や世界の国々に、無理難題を突き付けてくるに決まっている。“アメリカファースト”、とトランプ氏自身がくどいほど言っているではないか。

Donald Trump official portrait
大統領としての公式の肖像

今日(日本時間1月21日)未明、テレビで大統領就任式の模様が流されていた。まぁ、仕方がないので見ようと思っていたが、途中で眠ってしまった。もちろん、リプレーされたので肝心の演説を聴いてみたが、やはり予想通りの内容だった。Liveで見ても、同じ感想だったであろう。トランプ政権が実際に稼働すれば、世界中が振り回されることになる。早速、TPPから離脱する大統領令に署名したという。TPPに前のめりの安倍首相は、一体どうするつもりなのだろうか。

トランプ氏がこれまで唱えてきた経済政策を“保護主義”だと多くのメディアと言っているが、それは正しい言い方なのだろうか。保護主義とは、経済的基盤が弱い国が、関税等で自国の産業を保護することをいう。アメリカは、経済的基盤が弱い国なのだろうか。アメリカの経済的基盤は、十分過ぎるほど強大である。特に、金融資本的には最大最強である。

現在の世界経済を見る時、金融資本が持っている力が大きな地歩を占めている。今や、金融資本が産業資本よりも、世界中の経済を動かす力を持っている。その金融資本は強欲資本と化し、強欲資本主義などと呼ばれている。その強欲資本主義の本拠地こそ、ニューヨークのウォール街である。トランプ政権の閣僚に、ウォール街で活躍した人が多数入る見込みである。

冷戦時代、アメリカは自由主義陣営のリーダーであった。自由主義陣営のリーダーとして、たとえ痩せ我慢だとしても、アメリカには最低限、やらなければならないことがあった。実際に、かなりいかがわしいこともあったが、これを批判する自由はあった。建前は単に建前であることに留まらず、実体を作り上げる力を持っているのである。それが知性であり、文化というものだ。

アメリカは、自由主義陣営のリーダーとしての建前をそれなりに大事にしてきたからこそ、自由主義陣営の各国から、それなりの信頼を勝ち得てきた。それは、アメリカという国の繁栄の源になってきたのである。建前を建前として貫くために払わなければならない犠牲は、そのコストなのである。犠牲やコストを伴わない建前や能書きなど、誰も信用しない

アメリカがトランプ大統領のアメリカ第一主義を貫けば、一時的にアメリカは得をするかも知れないが、これまで得てきた大きな利益を失うであろう。アメリカ国民がそれを選んだのであれば、それはそれで良いではないか。しかし、国を顧みないリーダーなどに付いていく必要はないし、誰も付いていかないだろう。安倍首相だけは、こんなことに関係なく、ひたすら付いていくという。本当に、それで良いのだろうか。

今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。

  • 17年01月21日 08時20分PM 掲載
  • 分類: 1.徒然

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