“狂”の時代の粋な生き方
15年12月11日
No.1800
永田町徒然草が、1800号となった。書く方も難儀であるが、これをフローする方も大変であろう。全部が全部良いモノなら、さほど大変でもないだろう。あまり大したモノはないが、時には“なるほと”と思われるモノもある ─ だから、無視できない。それに、永田町徒然草は結構長い。これは、昔から私の悪い癖である。全部を読んでみないと、良いか悪いか判らない。読者諸氏のフォローに、心から感謝申し上げる。
今年も、間もなく終わる。今年は、異常なことが次々と起こった。地球全体が、どうも平常でなくなったいるようだ。パリのCOP21で議論されている問題は、本当に深刻なのであろう。地球温暖化問題について、私は特に見識や主張をもっている訳ではないが、先進国のひとつである日本という国で生活する私たち一人ひとりは、無駄をしている積もりはなくとも、地球上に暮らす一人として許容される以上のCO2を排出しているのは、間違いないのであろう。
だから私は、本当に必要なエネルギーだけを使うようにしようと、心掛けている。私たちが子供の頃に過ごした生活に戻れば、かなりのCO2削減になると、私は思っている。甘いと言われるかもしれないが、まず、自分のできることから始めるしかなかろう。それに、昔の生活もそんなに悪くはない。これでなくては駄目だという生活は、私には、そんなに理想でも最高だとも思えない。乏しい中にも、大切なもの・貴重なことがあるのだ。
ちなみに、いま私は、電気が入っているひざ掛けをして暖を取っている。これで、寒くはない。もう少し寒くなったら、ダイソンの温風器を時どき入れる。エアコンは、あまり好きではないのだ。70歳まで生きてきたのだから、これからは万事において、他の世代にあまり迷惑をかけないような生き方をしなければならないと思っている。そして、できるだけ他の世代の役に立つ生き方をしていこうと念じている。
今年は戦後70年ということもあって、戦争に関して色々と報道され、議論された。戦争についていえば、私も戦争に近い世代に入ったようだ。しかし、戦争後の悲惨さや苦労を知っていることと、戦争そのものを体験したことは、やはり違う。私は、これからも戦争について真摯に学びたいと思っている。そして、過去の戦争について語るだけでなく、現在起こっている戦争について発言していかなければならないと思っている。アラブ諸国で起こっている戦争と“テロとの戦争”に、私がこだわる理由である。
いま地球上で起こっている異常な気象現象等や国際的な社会現象等を一言でいえば、“狂”と表現して良いのだろう。世界全体が“狂”なのであるから、わが国でいろいろと“おかしなこと”起こっても、少しも不思議ではないのであろう。いや、“おかしなこと”で済んでいるのなら、良しとしなければならないのかも知れない。私の政治的感性では、いまの安倍首相がやっていることは、“狂”である。だが、これを許しているのも、わが国全体が“狂”であるためなのだろうか。
世界全体が“狂”だとしても、なにも自分まで“狂”になる必要はない。世の中全体が“狂”である中で、大勢に逆らって敢えて“冷静”でいることは、乙なものである。それこそ、正に“良識人・知性人”の、粋な生き方である。ここは、痩せ我慢でも、“良識人・知性人”として生きようではないか。この永田町徒然草は、痩せ我慢でも良いから、“良識人・知性人”として生きようとしている私の、心の叫びである。
それでは、また。