パリの同時多発テロについて
15年11月15日
No. 1794
フランスのパリで、大規模な同時多発テロが発生した。現時点で判明していることは、死亡者129人、実行犯8名ということである。多数の重傷者がいるのだから、死亡者数は増える可能性がある。現場での実行犯は8名かもしれないが、このテロに関わった共犯者はたぶん相当数になると思う。このテロは、COP21が今月末に開催される関係で、厳戒中のパリ市内で起こったことも指摘しておかなければならない。イスラム国(IS)は、自らが行ったテロだと声明している。
今日の日曜定番の報道番組で、各局ともこの同時多発テロを大きく扱っていた。しかし、現状を報道するのが手一杯で、今回のテロをどう見たらよいのか、日本人は何を考えるべきかと踏み込んだものは、ほとんどなかった。TBSの『サンデーモーニング』だけが、少し掘り下げた角度で番組を構成していた。この番組は時間は短いが、いつも問題を正しく捉えた視点で構成されているので、私はできるだけ見るようにしている。
今回の同時多発テロが衝撃的なところは、アメリカの9・11同時多発テロと違って、どこの国で起こされても不思議でないということである。その意味では、“一般性”があるということだ。つまり、わが国で起こされても、少しも不思議でないということだ。これから、わが国の報道機関は、“これでもか、これでもか”と報道するだろう。だから、この機会に日本人もテロについて、少し深く考えた方が良い。
テロとはいったい何なのか。テロは、どうして起こるのか。本当のテロ対策とは、いったい何なのか ─ そういうことを、様々な観点から述べてみたいと思っている。テロは、独裁国家において多発する。テロは、戦争と深く関係して起こる。テロには、何らかの政治性がある。テロは明らかに犯罪行為であるが、戦争で人を殺し、建物等を破壊するのは、犯罪行為ではないのか。今回の安保関連法をめぐる論争の中で考えなければならない論点と、深く関連しているのだ。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。