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秋の夜長に思うこと

15年10月31日

No. 1790

今日で、10月も終わり。あと2ヶ月で来年となる。「月日の流れが早くなった」などと、年寄じみたことを言うつもりは毛頭ない。それにしても、最近の政治の流れはいったい何なのだろうか。節目が無いというのか、締まりがないというべきなのか、何がポイントなのか分からないのが実情だ。これは、与野党双方の動きについて言えることだ。

焦点を絞らせないというのは与党がよく遣る手だが、どうも、そういう感じではない。安倍首相・安倍政権自体が、いったいどうしたら良いのか分からなくなっているのではないか。「これからは経済だ」と言ってみても、現在の日本経済に対して何を為すべきかなど、この政権に分かる筈がない。自由主義経済の中で、政府にできることなどほんの僅かなことしかないことを、安倍首相もその側近も知らないのだ。

経済政策については、財政経済諮問会議なるものが作られているが、あんな会議で特別なものが出てくる筈がない。一億総活躍会議も、然り。自由主義経済の中で政府が行える経済政策は、そもそも抽象的なものとなる。しかし、その抽象的なものであっても、行政のあらゆる分野で頑固に貫き、これを徹底させることが重要なのだ。

これには、説明が必要であろう。抽象的なものは、一般的なものである。即ち、あらゆる分野に妥当・適用できるのだ。自由主義社会が発展するためには、社会のあらゆる分野で国民の自由闊達な活動が保障され、国民の創意工夫に満ちた活動が起こり、その結果として、誰も予期しないような成果が(もたら)されるという信念が、いちばん大切なのだ。政治・経済・社会のあらゆる分野で、こうした信念に基づく政策が必要なのだ。

自由主義社会の運営には、国民に対する信頼が絶対に必要なのだ。信頼をしていればこそ、徹底的な自由を保障するのだ。徹底的な自由には、ハレーションは付き物だが、それを覚悟の上で自由を保障するのだ。右翼反動の政治には、国民に対するこのような信頼などない。彼らは、国民など常に締め付けなければ何をするのか分からないという不信感をもっている。右翼反動の自公“合体”政権の動きを見ていれば、このことを理解できるであろう。

マイナンバーなるものが、全国民に送られている。私のところにはまだ届いていないが、いずれは届くのだろう。私は、こういう制度こそが、自由主義にとって一番よろしくないと考えている。自由主義社会においておカネの動きを掌握すれば、その人の動きは大半把握できるのだ。娑婆中に監視カメラを設置して監視し、さらにマイナンバーでおカネの流れを把握すれば、国から見たら、国民の動きなど手に取るように分かる。こういう指摘をする人が、なぜいないのだろうか。

確かに、いろいろな事件や事故は起こる。まさに生生流転だ。しかし、覚醒した国民は、何が一番大事なことなのかを見誤らず、この国の将来を過ちなきようにしなければならない。それは、この半年間続いた“安保騒動”が教えてくれたはずだ。国民の意識・考えを分かってくれる国会議員を選んでおかないと、政治が自分のものにはならないということだった筈だ。野党共闘の動きに歯がゆい思いをしている人が、多い筈だ。だったら、動けばよい。いや、動かなければならないのだ。

今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。

  • 15年10月31日 10時39分PM 掲載
  • 分類: 1.徒然

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