梅雨明け十日
14年07月26日
No.1686
“梅雨明け十日”という言葉があると知った。梅雨が明けての10日間は好天が続く、という意味だそうだ。今年は、まさにこの“梅雨明け十日”だ。連日、猛烈に暑い日が続いている。私は白川勝彦法律事務所の執務室に引き篭もり、仕事をしながら大相撲名古屋場所を観戦して、暑さを凌いでいる。優勝争いは混戦となり、史上3人目の30勝横綱を目指す白鵬も、明日が正念場だ。
こう暑いと、何をするのも億劫になる。連日のニュース報道から、非常に重要な事が伝えられてくる。それらについて逐一コメントをしたいのだが、そんなことはとても出来っこない。熱中症で多くの人々が病院に搬送された。昨日などは、数人が死亡したという。私は夏に強い方なのだが、歳も歳なので、昔のような無茶はしないように心掛けている。
今日の都心の気温は、35度を超えた。今日は、いつものように永田町徒然草を更新する日だが、暑さに
永田町徒然草へのアクセスが衰えないのは、多くの人々が、世界と日本の趨勢に大きな危機感をもっているからだと思っている。ウクライナ東部区のマレーシア航空機の撃墜、イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への侵攻では、多くの市民が惨殺されている。仏教用語でいえば、現在の国際情勢は“末法の世”という感がする。
そんな中で、安倍首相は“地球俯瞰外交”と称し、世界中を飛び回っている。昨日は中南米諸国訪問に出発し、9月にはスリランカとバングラデシュに行くという。元気に動き回ることは結構だが、安倍首相がどのような国際関係を築くために行動しているかのかが、一向に見えてこない。ほとんどの国の首脳は、安倍首相の世界観に共鳴しないであろう。御土産をたくさん持って行くから表面上歓迎されているだけなのを、国民は知らなければならない。
国際関係の中でいちばん重要なのは、近隣諸国との友好親善である。わが国の国際関係は、日米・日中・日韓の関係が良かったときは、概ね順調だった。それは、この三つの二国間関係を良好に保つために、官民挙げて努力してきた結果であった。石原慎太郎都知事の尖閣諸島買い上げに端を発して、日中関係が悪化し始めた。石原慎太郎氏と安倍首相は、旧派閥以来のお友達である。
安倍首相の政治観と歴史観が、日中関係・日韓関係を悪化させている根源なのである。安倍首相とその仲間は、そんなことも分からない“連中”なのである。こんな連中を多くの国民が支持しているのだから、国民にも責任の一端があると、そろそろ気が付いてもらわなければ困る。最近のわが国の排外主義的傾向に、私は大きな危惧を抱いていると、率直に言わなければならない。
インドネシアの大統領選は、ジャカルタ特別州知事のジョコ・ウィドド氏(53)が当選した。同氏の経歴や主張などを見ると、明らかにリベラル色が強い。世界の各種選挙でリベラル派候補が勝つかどうかは別にして、政治路線そのものは、リベラルが勝っているのであるが、安倍首相がいちばん嫌いなのが、リベラルなのである。それは、安倍首相がこれまでやってきたことをみれば明らかであろう。
反リベラルの安倍首相がいくら世界を飛び回っても、外交的に成功するのは無理である。日中・日韓関係も、反リベラルの安倍首相の存在が原因となっているのだから、安倍首相が扉を開いているといくら言っても、関係改善は難しかろう。安倍首相とその周辺は、日中首脳会談や日韓首脳会談を実現するために、あの手この手を使って動いているが、見苦しくさえある。
まぁ、このように腹立たしいことは山ほどある。暑さに感けてそんなことは打っ棄っておきたいが、そうもいくまい。暑い中でも覚醒している国民はいる。その人たちが政治の流れを正し、良き日本を築いていくのだ。そのための戦いは、休めない。熱中症に気を付けながら、私もその一員として、戦列を離脱しないように努める。
それでは、また。
