地震の報道について
08年06月15日
No.839
昨朝、私はテレビの緊急地震速報で起こされた。昨日の永田町徒然草を書き上げupdateしたのは午前4時45分だった。少し長かったのと過去に私が書いたものを調べたりしたので、かなり時間がかかったのだ。出かける予定はあったが、時間があったのでテレビを点けながら横になり眠ってしまったのだ。
緊急地震速報の警報音は、お知らせで何回も聞いたことがある。しかし、デモストレーションではなく、実際の警報音を聞いたのは初めてだった。ぐっすり眠っていたためか、私は机の下には潜らなかった。間もなくすると東北地域でかなり大きな地震が起こったとのニュースが流れてきた。岩手・宮城内陸地震の発生である。私は正午過ぎに出かけたが、どの局も地震報道一色であった。
岩手・宮城内陸地震で亡くなった方々のご冥福をお祈りし、被災された方々にお見舞い申し上げます。出かけなければならなかった正午過ぎの時点での死亡者は2名であった。仕事を終えて家に帰ったのは、午後11時過ぎであった。私は忙しくてこの間テレビをみることができなかった。テレビを点けた。NHKはヨン様の『太王四神記』を放映していた。教育テレビで地震報道をやっているのかと思い、そちらにチャンネルを合わせた。そこでもやっていなかった。
少しおかしいと思ったが、私はチャンネルを回した。どこの局でも地震報道をしていないのである。ところで、映らなかった10チャンネル(テレビ朝日)と12チャンネル(テレビ東京)は、何をした訳ではないが映るようになったのだ。だから昨日の午後11時過ぎには、東京の地上波のどの局でも地震に関する報道が見れなかった。
インターネットで新聞のWeb版をみた。死者6名行方不明者11名との記事があった(東京新聞Web版)。やはり犠牲者は多かった。このことを知ればどうしてもテレビで詳しく見たくなる。またテレビのチャンネルを回した。ふだんあまり見ないフジテレビの報道番組で地震報道をやっていた。少し状況が掴めたような感じがした。映像の報道はやはり大切なのである。もう『太王四神記』が終わったと思いNHKにチャンネルを合わせたが、こんどは若者受けを狙った番組をやっていた。
昨日正午過ぎに私が出かける時、すべての局が地震報道一色だった。それから約10時間後、私が帰宅した時は以上のような状態だったのである。この間の報道がどうであったのかは分からないが、私が指摘したいのはこの落差である。最初の報道が幸いにも状況把握を間違っていたためだったとしたら、それは構わない。しかし、そうではないようである。そうだとしたら昨夜から今日未明にかけてのテレビの報道姿勢は少しおかしいのではないか。
最近日本で起きた大きな地震は、中越地震と中越沖地震であった。どちらも私には関係の深い所だったので、テレビの地震報道をよく見た。テレビはもっと丹念に報道していたと思う。岩手・宮城内陸地震に関心をもっていた人は多いと思う。その中には私のようにテレビで地震報道を見ることができなかった人も多かったと思う。少なくとも“皆様のNHK”は、若者のウケを狙った番組を流すより地震報道をすべきだったのではないか。
私は中越地震を身近で体験した。いくらテレビを見たからといって地震の実態など分かるものではない。あれだけ報道された四川大地震の実態は、私たちの想像よりかなり違っていると思っている。本当に深刻な被害は、テレビクルーが入れない所で起こっている。だからといって報道が無駄だといっているのではない。いや逆なのだ。テレビ報道がたとえバーチャルだったとしたも、それでも非常に意味があると私は考えている。日本人が住んでいる所は、どこが大地震に襲われてもおかしくないのである。地震被害がどういうものかをできるだけ知っておくことは必要なのだ。
それでは、また。