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ごごばん! デイリースペシャル 〜法律クリニック〜 2011年6月14日 火曜日 (第19回)
テーマ
「債務整理と住宅ローンについて」
話者名 | 話の内容 |
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上柳 | ごごばん!リスナーのみなさんの法律の問題についてお話を伺います、「ごごばん!法律クリニック」。スタジオにはお馴染み、白川勝彦法律事務所・白川勝彦弁護士です。こんにちは。宜しくお願い致します。 |
白川 | 宜しくどうぞお願い致します。 |
堀・ 増山 | 宜しくお願い致します。 |
話者名 | 話の内容 |
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上柳 | では早速、今日の相談内容なんですが、今日は、東京町田市の男性からのこのメールです。 |
増山 | 私には、まだ住宅ローンが残っているのですが、不況の影響などもあって、思っていたよりも収入が増えず、消費者金融から借り入れをして返済を行っている状態。借入金額も、結構な額になってしまいました。このままだと、結局は返済が出来ないまま家を手放すことになりそうで不安なのですが、家を手放さずに債務整理を行うことはできないでしょうか? |
堀 | 長いですもんね、住宅ローン。 |
上柳 | 住宅ローンがあって、収入が増えない。他でも借りている…これ、白川弁護士、いかがいたしましょうか。 |
白川 | そうですね。このラジオをお聞きになってる皆さまの中にも、同じような悩みの方は多いんじゃないでしょうか? 結論からいいますと、住宅ローンはそのままにして、他の債務だけ減らす方法はございます。 |
上柳 | ある ! |
白川 | 結論から言えば、あります。債務整理には3つの方法があるって、度々話してますよね。1つは、破産で借金を全部チャラにするという、わかりやすい整理の仕方ですよね。それから、任意整理というのもありますよね。もうひとつ、今日は民事再生ということが主に関係してくると思うのですが。 この3つの場合どうかと言いますと。破産の場合は話をしなくていいですね。住宅ローンも、チャラにしてもらうと。その代わり、家も出すからというケースですね。そうでなくて、任意整理の場合はですね、どの債務を債務整理してもらいたいかとする。これはこのまま払う、弁護士に頼んで、何らかの形で整理してもらいたいと。 任意整理というのは、もともと、どれを選ぶこともできます。ですから今、車のローンなんかはローンで買ってる人が多いですよね。車はどうしても生活上必要だから、車のローンは債務整理の対象にしない。債務整理の対象にしちゃうと、ローン会社が車引き揚げますから。ですので、車のローンは自分で支払うから、それ以外の借金をなんとか整理する道はないかと、こういうケースが多いです。 |
上柳 | このローンは払うけど、あとは何とか… |
白川 | もちろん住宅ローンは払いますから、「残りの債務はなんとか整理できないでしょうか?」という事もよくあることです。それからですね、いわゆる消費者金融から借りている債務。例えば、仮に450万としましょうか。だけども長い間の取引があったりして、昔は高い金利がありましたから。5〜6年とか7〜8年くらいあれば450万と業者は言ってても、実際上の債務はかなり少なくなってますからね。 まだ過払いまでは、8年以上経たないと出ないですけどね。だから、他の債務の方は月々、相当少なくなるわけです。 |
上柳 | 過払いまでいってなくても、ちょっと減るんですか。 |
白川 | 減額はできますからね。そうすると、住宅ローン払って、今払ってる450万円に対する月々の弁済は、かなりの額になりますからね。それは、相当減らせます。まず、任意整理の道を考えてみると。 |
上柳 | まずは任意整理ですね。はい。 |
白川 | しかし、任意整理で実際はそんなに減らない、と。例えば借入期間が短いとか、全部銀行系の借金だと。カードローンだという場合は、基本的に減りませんから。その場合減らすことはできませんが、ただし、民事再生、小規模民事再生という手続きを使えば減らせます。 これは、裁判所の力を借りなくてはいけないです。大雑把にいいますと、大体自分の借金を5分の1にしてもらうという方法ですから。過払いが出なくても、5分の1なら楽ですよね。500万が100万でいいわけですから。ただしですね、5分の1にしてもらうわけですから、その場合はある借金は全部出して下さいと。さっき言った通りに、車のローンも出して下さいと。なぜかと言うと、5分の1にされちゃうんだから、なんで私の貸金だけ5分の1にされて、あの人の債務は全額払うんだと。5分の1にされるのはたまったもんじゃないですよね。そういう事があるから、一応、借金があったら全部出して下さいと。 ですから、例外は認めません。「車のローンも出して下さい」というような事で、民事再生は原則、全部出します。よく言われるのが、会社がやってる共済で借りるのは、会社にばれちゃうでしょ、債務整理をすると。ですので、それは除けませんかというのですが、それもダメですね。 |
上柳 | 会社にもどういう状況か分かっちゃうわけですね。 |
白川 | ところがですね、住宅ローンだけは別にする。住宅ローンも、借金は借金ですよ。だけど、それは別にするというのが、特別に認められているんです。 |
上柳 | 例外があるのですね。 |
白川 | さっき言った通りですね、住宅ローンは例外にしてくれるかというと、ひとつはまず衣食住というくらいですから、生活に必要なものだからですよね。その借金ですので。 二つ目は、基本的に安いですよね、さっき長期だって堀ちえみさんもおっしゃってましたけど、長期だけど金利も安いですよね。普通の貸金業者はこんなのじゃ貸さない。だから、特別の借金だから、これだけは例外として認めましょうと。 それから、よく見ますと住宅ローンとして払ってるお金が確かに大きいといえば大きいんですが、例えばそれをやめて、同じような物件を借りるとすると、むしろ借りた場合が家賃の方がちょっと多いのかな? ですから、住宅ローンというのは、家賃を払っているものだと思っていればいいんです。それで、25年か30年経つか分からないけども、払っていれば最後は自分の物になるんだという。だから借金よりは多少楽だと思いますね。 そんなようなことで、とにかく住宅ローンはそのまま払っていけばいいですし、一方では他の借金は5分の1になりますから、十分返済可能だと思います。 お悩みの方も、個人でやる手続きは難しいですから、弁護士と相談した方がいいと思います。 |
上柳 | 破産と任意整理と、民事再生。本当に色々な方法があるんだということですね。今日の相談者の生活に、一番あったものが見つかるはずだということですね。そのあたりは、専門の弁護士さんにぜひご相談をということになると思います。ということで、今日もありがとうございました。白川勝彦弁護士でした。 |
白川 | どうもありがとうございました。 |
堀・増山 | ありがとうございました。 |
上柳昌彦氏・ 増山さやか氏 = ニッポン放送アナウンサー / 堀ちえみ氏 = タレント曜日パートナー (文中敬称略) | 第18回 | TOP[t] | 第20回