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 FORUM21   2007年7月15日 通巻130号

特集 07参院選─自・公政権を問う

自公“合体”政権に代わる新しい政権のための選挙

白川  勝彦  (元・衆議院議員)

政権に関係ない選挙!?

この原稿が読者の目にとまるころ、参議院選挙は佳境(?)に入っているときであろう。1億人の有権者が参加する参議院選挙は、まさに国政選挙である。この選挙で示される国民の意思は、安倍首相が何と言おうが重い。アメリカの中間選挙は、下院の全議席と上院の3分の1が改選される。しかし、大統領選挙は行われないので、政権交代は起きない。わが国の政権は、基本的には衆議院の議決が優先する。参議院で野党が過半数を制し、野党の推す者が参議院で首相に指名されても、衆議院で別の人物が首相に指名されれば、衆議院で指名された者が最終的には首相になる。従って、政権交代には至らない。

ご案内のとおり、衆議院では自民党と公明党は3分の2をはるかに超える化け物のような議席をもっている。だから今回の参議院選挙で、国民は自公“合体"政権を倒すことはできない。しかし、国政選挙である参議院選挙で過半数をとれなければ、その政権は国民から不信任を受けたことになり、退陣を余儀なくされることになる。

非改選議席と合わせて過半数を維持できなければ、衆議院でいかに議席をもっていてもその政権は機能不全に陥る。与党の非改選の議席は、58しかない。だから与党としては64議席以上とらなければ、過半数を確保することができないのである。改選議席は121であり、その半数は61である。もともと今回の選挙における与党のハードルは高いのである。

政府に対して是々非々の自民党支持者

新聞や週刊誌などで選挙予測がなされている。いずれも自民党が何議席とれるかというところに重点がおかれている。自民党が45議席を割れば安倍首相は退陣を余儀なくされるだろうといった類のものである。しかし、ほとんどの選挙予測は公明党が獲得する議席を所与のものとしている。果たしてそうだろうか。投票率が10%も上がれば、公明党の議席は比例区でも選挙区でも確実に減少する。今回の選挙のひとつの注目点は、公明党が何議席とれるかだと私は思っている。 自民党が苦戦を伝えられているのは、政府の失政が原因である。自民党の支持者というのは、与党志向はあるものの是々非々なのである。自民党が長期に政権を担ってきても独裁的にならなかったひとつの原因はここにある。

公明党の支持者というのは、ちょっと違うようである。公明党はいま与党である。政府の失政があっても自民党支持者のように是々非々の態度をとらないようである。公明党の政治的パフォーマンスは確か是々非々が売りだったように思うが、公明党の支持者には是々非々という考えがないようである。

政府の失政といっても、その大半は官僚の失政なのである。官僚を指揮監督する責任を負っている与党がその責任をとることになるのである。これが与党のつらいところなのである。公明党の支持者のように政府の失政について、非を非としないと結果として官僚天国を許すことになるのである。これが公明党の支持者のためにもならないことは明らかであろう。

このように政府の失政について無批判な公明党支持者を協力を得て、自民党は苦しいながらも辛うじて45議席前後の攻防を展開しているのである。もしこれがなければ、平成元年の消費税選挙の36議席前後の攻防となっていることは明らかなのである。

水攻めに弱い公明党城

公明党という城は、難攻不落なのだろうか。私はそうと考えていない。昔の戦に例えるならば、公明党という城は水攻めに弱い。水位を上げるのだ。すなわち、投票率を上げればいいのである。安倍首相が国会の会期を延長して投票日を1週間延ばした。ひょっとすると、これには公明党の入知恵があったのかもしれない。確かに夏休みに入って最初の日曜日となると、投票率は数%くらい下がるかもしれない。しかし、それは国民の考え方ひとつである。

ちなみにこの5月に行われたフランス大統領選の投票率は、投票が2回行われたにもかかわらず、いずれも80数%だった。日本人にとってフランスという国はセレブな国である。セレブな国というのは、投票率が高いものであるということを誰かうまく仕掛けられないものか(笑)。そういう攻め方よりも、“何とか一揆"という方がわが国の場合は現実的なのかもしれない。

私などは、要するに自公“合体"政権を倒そうという運動が起こりさえすればよいのだと考えている。幕末、誰が組織したのか分からないところがあるが、“ええじゃないか”という騒動が全国的に起こったという。そのようなものでよいと思う。わが国の国民は、現権力を倒せると思ったとき爆発的なエネルギーを発揮するとある人がいっていた。自公“合体”政権には、腐臭が満ち満ちている。その政権を倒せる絶好の機会がいまだということを野党が示せば、爆発的なエネルギーが出てくるのである。

自公“合体”政権に痛撃を!

公明党の獲得議席を3くらい減らして10議席前後、自民党の獲得議席を40議席前後にしてしまえば、与党は参議院の過半数に10数議席及ばなくなる。このくらいにしておかないと、与党は現在野党としてカウントされている議員を引き抜いて帳尻を合わせてしまう危険性がある。そういうことを狙ってウズウズしている輩が実際に現れはじめている。

しかし、自民党と公明党を合わせても50議席前後しか獲得できないとなると、もう変な動きはできなくなる。それに衆議院の選挙の動きまで変化が出てくる。参議院選挙が終れば、衆議院の任期も残り2年となる。参議院が過半数割れをしていたのでは、与党はもう国民の信任を受けていないのだという雰囲気が出てきて、この2年間のようなやりたい放題はできなくなる。

衆議院を解散して、国民の意思を反映した衆議院にせよという声が澎湃として起こってくるだろう。自公“合体”政権は、完全に行き詰まってくるのである。その衆議院総選挙で、自公“合体”政権を完全に葬らなければならない。自公“合体”政権に代わる政権を作っても、その政権が参議院に過半数をもっていないようでは、政権運営がうまくいかない。今度の参議院選挙は、近いうちに必ず誕生する自公“合体”政権に代わる新しい政権のための選挙なのだというくらいに考えなければならない。

立ち上がらない国民は“アウト”な有権者

こう考えれば、今度の参議院選挙は楽しい選挙ではないだろうか。自民党や公明党は偉そうなことをいっているが、そもそも化け物のような衆議院の与党の議席は、郵政解散選挙という詐術を使って騙し取ったものに過ぎないのである。「カエサルのものは、カエサルに返せ」ということなのだ。

「(公明党が)自民党と連立政権を組んだ時、ちょう どナチス・ヒットラーが出た時の形態と非常によく 似て、自民党という政党の中にある右翼ファシズム 的要素、公明党の中における狂信的要素、この両者 の間に奇妙な癒着関係ができ、保守独裁を安定化す る機能を果たしながら、同時にこれをファッショ的 傾向にもっていく起爆剤的役割として働く可能性を 非常に多く持っている。そうなった時には日本の議 会政治、民主政治もまさにアウトになる。そうなっ てからでは遅い、ということを私は現在の段階にお いて敢えていう。」

いつも引用して恐縮だが、『創価学会を斬る』の中で藤原弘達氏が指摘していることである。藤原氏の言を借りれば、現状はすでにもう“アウト”なのである。このような秋に立ち上がらない国民は、“アウト”な有権者と呼ばれても仕方がない。

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