ヘッダバイパス[j]ump
liberal-shirakawa.net 白川勝彦 Webサイト (HOMEへ)
白川勝彦へメールを送る
永田町徒然草を閲覧しています
自薦論文を閲覧します
白川文庫を閲覧します
フォトエッセイ即写一言を閲覧します
永田町徒然草
自薦論文
白川文庫
フォトエッセイ 即写一言
プロフィル
リンク

 

“頭を腐らせる”という手口

09年03月15日

No.1111

今日の永田町徒然草は、1111号である。別にどうってことではないが、2222号になるためにはあと1111回も書かかななければならない。もし「永田町徒然草No.2222」を書くことがあったとしたら、その時のテーマは何になるのであろうか。

白川勝彦Webサイトは、ホームページからアクセスしてくる方は全体の10%ちょっとに過ぎない。だから見逃している人も多いのではないか。月刊誌『フォーラム21』3月号の閻魔帳という巻頭言に、「“頭を腐らせる”という手口」という拙文を寄せた。ホームページにリンクは貼ってあるが、まず全文を引用する。

“頭を腐らせる”という手口

『政権崩壊』というタイトルの私の著書が発刊されたのは、昨年の10月中旬だった。9月末に麻生首相が誕生し、10月26日総選挙という日程が噂されている中、それに間に合わせるべく大急ぎで作業した。朝日新聞社が10月4・5日に行った世論調査の麻生内閣支持率は41%、不支持率は42%であった。内閣発足直後であるにもかかわらず、不支持が支持を上回っていたことは不吉であったが、それでも40%台の支持があったのだ。こういう情勢で解散を打たれたら、民主党を中心とする野党の勝利は覚束ないと考え、10月26日総選挙を回避させるためにインターネットを使い私はキャンペーンを張った。

 それが効を奏したなどと自惚れてはいないが、兎にも角にも解散は回避された。その当時の政治評論家やマスコミの論調は、10月26日総選挙は確実というのが殆どであった。いまにして思えば、10月3日解散・10月26日総選挙は自公“合体”政権にとって最後のチャンスだったということになる。ということは、自公“合体”政権を何としても倒さなければならない立場からすれば、この選挙日程は断固として阻止することが正しかったのである。政局や選挙の見通しを単純に述べる場合でも、実は政治的立場や思想性が隠されているのである。自公“合体”体制のひとつの特質は、これまでのどの政権よりもマスコミを掌握していることである。

 マスコミの毎日の報道や論説は、政治の専門的立場から言わせてもらえば、巧妙に自公“合体”政権を守ろうとしている。その最たるものは、公明党・創価学会を批判を避けていることだ。自公“合体”政権の悪行の過半の責任は、実のところ公明党・創価学会にあるといえる。長い間自民党の中にいて、国会や自民党を見てきた者にとってこんなことは明々白々なのであるが、それを指摘・批判するマスコミは皆無といってよい。政治的番組をみる限り、マスコミに登場する評論家・コメンテーター・キャスターは、創価学会・公明党のお眼鏡に適う者しか許されないのである。これがマスコミの実態なのである。実に恐ろしいことではないか。

 “魚は頭から腐る”という。この国を籠絡しようと長年にわたり画策きた老獪な勢力にすれば、その目的を達するためには“頭を腐らせてしまうこと”が一番の早道なのだ。膨大な費用をかけたところで、その効果を考えれば安いものである。『政権崩壊』の出版の少し前に、私は『自公連立解体論』を合わせて発刊した。自公“合体”政権の崩壊は、いまやほぼ確実な情勢である。しかし、公明党の政権参加・政教分離問題の方は、依然として曖昧模糊としている。創価学会の魔手は民主党を中心とする野党にも食い込んでいる。ここのところに注意しないと自民党を倒すことができても、日本の政治の先行きは確かなものにはならない。

最後の節の「自公“合体”政権の崩壊は、いまやほぼ確実な情勢である」という部分にはちょっと暗雲が立ち込めてきた。原稿を送ったのは2009年3月1日午後6時過ぎであった。それから2日後に小沢氏の公設第一秘書が逮捕された。出版社の方に訂正を申し入れておけば良かったのだが、そこまでは気が回らなかった。「ほぼ確実な情勢である」というのだから、特に訂正する必要はないのかもしれないが、執筆時からみれば雰囲気はかなり違っていることは事実である。

小沢事件も「“頭を腐らせる”という手口」のひとつである。情報操作による情報戦なのだ。マスコミは第四権力と言われている。現代の政治を考える場合、第四の権力を誰が掌握しているのかを考察しなければならない。第一権力は衆議院の多数党が握る。参議院で多数党になったからといっても一人前の政権党とはいえないのだ。第二権力は衆議院で過半数をとった政党あるいは連立している政党が掌握する。第三権力たる司法の首脳陣は、内閣によって任命される。自公“合体”政権の10年間で、司法もかなり劣化してしまった。

第四権力をどうやって掌握するかは、自由主義社会の政府にとって頭の痛い問題である。わが国にはNHKという“公共放送”がある。だから他の自由主義諸国の政府に比べて比較的容易な方である。いつも言っているように、自公“合体”体制はこれまでのどの政権よりもマスコミを掌握している。創価学会・公明党が権力の中枢にいるからである。この事実は忘れてはならない。

「公明党の政権参加・政教分離問題の方は、依然として曖昧模糊としている。創価学会の魔手は民主党を中心とする野党にも食い込んでいる。ここのところに注意しないと自民党を倒すことができても、日本の政治の先行きは確かなものにはならない」という部分は、小沢問題を考える際のひとつのキーである。“腐った頭”では、老獪な自公“合体”政権を倒すことなどできない。いま求められているのは格好を付けたパフォーマンスなどなくて、鋭敏な頭なのである。

それでは、また。

  • 09年03月15日 07時32分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

白川勝彦OFFICE   白川勝彦へメール送信 ]

Valid XHTML 1.0 TransitionalValid CSS!Level A conformance icon, W3C-WAI Web Content Accessibility Guidelines 1.0

Copyright©K.Shirakawa Office 1999-2016 - Web pages Created by DIGIHOUND L.L.C. All Rights Reserved ©1999-2016
Powered by Nucleus CMS. Page designed by James Koster.Ported to Nucleus by Joel Pan. Re-design and adjusted by DIGIHOUND L.L.C. © 2006-2016