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曖昧模糊とした存在

09年03月07日

No.1103

連日どのマスコミもトップニュースは小沢氏の秘書逮捕の件である。そして逮捕勾留に至った容疑事実と言えないことが、“関係者によると、○○○○○○○○○○○○したことが判明した”と報道されている。いずれも小沢氏のイメージダウンを狙った内容である。

ところで“この関係者”とはいったい誰なのか。報道機関は報道する記事の出所くらいはハッキリ言うべきである。その記事をみた人は、「関係者の証言などを総合すると、○○○○○○○○○○○○したことが判明した」と錯覚する。関係者の証言を集めたのは、その報道機関なのか。自分で事実や証言を集めもしないのに、なぜ“○○○○○○○○○○○○したことが判明した”と報道するのか。根拠もなく小沢氏のイメージダウンを狙った記事を報道する、それが問題なのである。

今回の事件に関していえば、“関係者によると、○○○○○○○○○○○○したことが判明した”の関係者は、その殆んどが検察当局である。だったらハッキリと“検察当局によると、○○○○○○○○○○○○したことが判明した”と記事に明記すべきではないのか。できればそのことを口にした検察官の名前もハッキリさせたほうがよい。少なくともその記事を書いた記者の名前も書くべきであろう。検察当局といっても漠然としている。報道した責任者も漠然としている。

今回の事件は、小沢氏のイメージダウンを狙ったものである。“検察を使って政敵を政治的に追い落す”ことを狙っているのだ。検察当局が小沢氏の公設第一秘書を逮捕勾留したことは事実である。もし検察当局が起訴できなければ、検察に対する大きな非難は必定である。起訴するときは起訴した検察官の氏名を明らかにしなければならない。検察当局では起訴できないのである。検察官が起訴し立証しようというのは、逮捕状・勾留状に記載されている被疑事実なのである。

検察官が捜査しなければならないのは、その被疑事実なのである。被疑事実を立証できる証拠を集めたら、できるだけ早く起訴するのが刑事訴訟法の理念である。一度逮捕すれば23日間身柄を拘束できるというのは、当然のことではないのだ。被疑者は裁判で堂々とその無罪を主張し、検察官が提出する証拠を争うことができる。今回の事件で逮捕された公設第一秘書が無罪になれば、検察当局は大きな非難を受けるであろう。

現在の構図は、こうなっていない。小沢氏側は一方的に殴られ放しなのだ。刑事事件では、検察官が提出できる証拠には厳しい制限がある。検察官がいい加減な証拠を提出しようと思っても、被告人や弁護人が反対すれば排除される。裁判官は提出された証拠のみによって、起訴された公訴事実の有無を認定しなければならないのである。ところが現在のところ、検察当局は“ヤリドク”なのである。そして何か喋れば、“関係者”ということでマスコミが大々的に報道してくれる。自公“合体”政権と検察当局にとって、こんなに都合の良いことはないであろう。

誰もが知っていることを改めて述べてみた。そうすると現在進行中の小沢事件の本質が浮かび上がってくる。今回の事件は、“検察や警察を使って政敵を政治的に追い落す”ということなのである。刑事事件としての刑罰など、どう転んでも大したものではない。永田町徒然草No.1101のタイトル「誰が何を狙って!?」の誰かは明らかになったであろう。検察当局などという曖昧模糊の存在は、この世にいない。検察庁の誰かなのだ。その人物は法務大臣に相談しないで今回のような大それた行動に及んだのであろうか。

今回の事件で、マスコミが果たしている役割も明確になったであろう。偶(たま)には警察や検察の横暴を批判することもあるマスコミだが、今回の事件では見事に“検察や警察を使って政敵を政治的に追い落す”ことに加担しているではないか。加担しているなんてもんじゃない。主役と言ってもよい。その原因は何なのか、少し考えてみてもらいたい。ところで「自民党議員に波及する可能性はない自民党議員に波及する可能性はない」というご託宣を述べて、与党からもお叱りを受けた政府高官とはいったい誰なのか。いまウラをとっているところだ。そうすると今回の事件の真相はより明らかになる。

それでは、また。

  • 09年03月07日 10時27分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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