事は一大事である!!
09年03月06日
No.1102
昨日のニュース報道は、小沢氏の秘書逮捕と定額給付金支給のバカ騒ぎ一色だったのではないか。小沢氏の秘書逮捕の報道は、民主党を最大限に痛めつけるものであり、定額給付金支給の報道はレームダックの麻生内閣をちょっぴり元気付けるものである。自公“合体”政権にとって、まさに願ったり叶ったりの構図ではないか。
検察は厳正中立でなければならないが、麻生内閣の検察であることは言うまでもない。自公“合体”政権はこれまでのいかなる政権よりもマスコミをシッカリと掌握している、と私は口酸っぱく指摘してきた。だからこそ、絵に描いたような“まさに願ったり叶ったりの構図”のマスコミ報道ができるのである。このようなマスコミ報道が連日続いていけば、世論は必ず変わっていく。民主党や野党にとって、まさに正念場だ。
昨日の永田町徒然草で「この問題(小沢氏の公設第一秘書逮捕)はまったく質の異なる問題に転化した。小沢氏の政治的追落しを狙った捜査・逮捕ということになったのだ。小沢氏と民主党はそう宣言した」と書いた。小沢氏と民主党は、自公“合体”政権にとって紛れもなく“政敵”である。だから「(今回の検察の行為は)政敵の政治的追落しを狙った捜査・逮捕である。小沢氏と民主党はそう宣言した」ということになる。
検察や警察を使って政敵を政治的に追い落すという例は、わが国の歴史に数多くあった。しかし、現在の日本で“検察や警察を使って政敵を政治的に追い落す”ことなど許される筈がない。今回の事件は“検察を使って政敵を政治的に追い落す”行為だ、と小沢氏と民主党は宣言したのである。“検察や警察を使って政敵を政治的に追い落す”行為は、自由主義社会において絶対に許されることではない。こんなことを許していたのでは、民主政治など潰(つい)えてしまう。まさにわが国の一大事である。
日本国憲法が制定された後でも、検察や警察により多くの人々が追い落されてきた。政治的追落しにあった者もいれば、社会的・経済的地位を失った者も多い。冤罪で多くの人々が苦しんできた。しかし、現実には個別具体的問題に対し、政治は意外に冷淡・無頓着であった。人権派弁護士や人権を守ろうとする国民の努力によって救われた例はあるが、多くの人権被害の中のほんの一部に過ぎないであろう。
野党第一党である民主党がこういう人権被害に立ち上がったのだとしたならば、それは心強い。大歓迎である。ましてや今回の問題は“検察や警察を使って政敵を政治的に追い落す”という重大事である。“人はパンのみにて生きるに非ず”という私などにとっては、経済危機に対する緊急対策と同等の一大事である。遠慮なく堂々とこの問題を追及してほしい。
昨日の参議院予算委員会の審議は、NHKで実況中継されていた。ほんの一部を見ただけだが、民主党の質問者は“検察権力を使って政敵を政治的に追い落す”ことの不正義・不条理を追及していなかった。どうしてなのだろうか。私には理解できない。どう質問したらよいのか分からないのだろうか。国民を代表して“検察権力を使って政敵を政治的に追い落す”ことなど絶対に許さない、という揺るぎない信念があれば簡単な筈なのだが…。己を捨ててかからなければならない。
それでは、また。