合計特殊支持率!?
08年10月21日
No.967
石油給油法案が今日衆議院を通過し、参議院に送付される。早期解散を“勝ち獲りたい(!?)”という民主党は、参議院の早期採決にも応じ、結果としてこの法案を早期に成立させることに協力するのだという。昨日の野党国会委員長会談では、民主党のこの態度に共産党・社民党・国民新党から強い反対が出されたという。これは昨日の動きの中でけっこう重要なことである。
衆議院選挙は、300の小選挙区のほとんどで自民党候補と民主党候補が激突する。これは小選挙区制の当然の結果である。しかし、小選挙区制を導入したからといって国民の政治的価値観がふたつに収斂する訳ではない。今後とも価値観の多様化はますます進む。当然のこととして政治的価値観も多様化する。選挙では不利だが、小さな政党は今後とも存在することになる。
永田町徒然草No.954「冷徹かつ冷厳な数値」で、私は“特殊自民党支持率”という概念を持ち出した。特殊自民党支持率とは、いうまでもなく自民党支持率に公明党支持率を加えたものであった。その後ずーっとこのことを考えていたのだが、正しくは自民党の“合計特殊支持率”というべきであったと思っている。合計特殊出生率のあれだ。
合計特殊支持率があるのは自民党だけではない。民主党にも合計特殊支持率がある。民主党支持率に加算すべき数値は、自民党の場合よりかなり大きい数値になる筈だ。選挙予想をする場合、これからは自民党合計特殊支持率と民主党合計特殊支持率を常に問題としないと誤ることになる。たぶん自民党合計特殊支持率=自民党支持率+公明党支持率ではないであろう。
民主党合計特殊支持率=民主党支持率+(共産党+社民党+国民新党)支持率でもないであろう。自民党支持率にX%を加えれば自民党合計特殊支持率になるのか。民主党支持率のY%を加えれば民主党合計特殊支持率になるのか。このXとYを探り当てれば、選挙結果をかなり正確に予測できることになる。ノーベル賞ものとはいわないが、かなり意味のあることだと考えている。今回の衆議院選ではこの数値を算出した上で予測してみるつもりである。
それはそれとして、民主党の合計特殊支持率を考える場合、共産党・社民党・国民新党3党の支持率が中心になることは間違いない。世論調査では共産党2~3%、社民党1%、国民新党0%としか出ないが、2~3+1+0と考えると大きな誤りを犯すことになる。暇なときにじっくりと考えてみる。大胆な仮説となるが、これはやってみる価値がありそうだ。今回の石油給油法案に対する民主党の態度は、民主党の特殊合計支持率を確実に下げることは疑いない。私はそのことを憂る。
それでは、また。