幽霊は消えていく…!
08年09月02日
No.917
昨夜午後9時のNHKニュースをみていた最中に、「9時30分から福田首相の“臨時記者会見”」との臨時ニュースが流れてきた。9時ちょっと過ぎにこういう報道がある以上、これは余程のことだと思った。太田農水大臣の罷免の発表くらいなら、こんな時間の緊急記者会見など考えられない。“これは辞任だなぁ”と私は思った。まもなくすると辞任という報道が流れてきた。
2008年9月1日午後9時30分からの福田首相の臨時記者会見を私はリアルタイムでみた。正直いって、福田首相が何を言いたかったのか、私はまったく理解することができなかった。そもそも福田首相がいうことなどに深い政治的意味があると私は思っていない。政治的意思がない首相の発言をそんなに深く分析することなど、あまり政治的意味や価値がないと私は思っている。フワッとなんとなく登場し、虚しく消えていく“幽霊のような総理大臣”だった。この“奇怪な”現象をどう分析するかが重要のだ。
そもそも問題の発端は、昨年の参議院選挙で自公“合体”政権が歴史的大敗を喫したことにあった。自公“合体”政権は国民からノーを突きつけられたのだ。栄華を誇った自公“合体”体制は崩壊の危機に直面したのである。その局面で福田首相を選出すること自体が、私には考えられないことであった。福田首相を自公“合体”体制のトップに戴したのでは、危機を突破する可能性はゼロに等しい。そんなことは自公“合体”体制の中の人間でも気付いていた筈である。しかし、自公“合体”体制は福田首相で一時的な避難をしたかったのであろう。モラトリアム(猶予期間)を選んだのだ。
危機が深刻であればある程、そこから脱出するためには思い切った体制の構築と革命的変革を行うことが必要である。少なくともモラトリアムは最悪の選択であった。ところがその最悪の選択をしてしまったのである。自公“合体”体制がそのことに気付いたのか、福田首相がそのことに気が付いたのか、それとも何となく辞めたくなったのか。いずれでもないと私は思う。要するに自公“合体”体制も福田首相も“夢遊状態”なのだ。夢遊病者の政治行動に政治的評論を加える趣味など、私にはない。
自民党はど派手な総裁選を行うであろう。しかし、それは総選挙を睨んだパフォーマンスでしかない。自民党をどう立て直すかなどという本気のものではない。国民としてはそんなものに騙されないことが重要である。いつも言っているように、自公“合体”体制の特質はマスコミを味方に付けていることである。自民党単独政権の時代とは、質的に異なるのである。創価学会がそのど真ん中に居座っているからである。昨夜から現に巧妙な報道が始まっている。野党も国民もこのことを忘れてはならない。甘く考えてはならない。私はまた忙しくなる。
それでは、また。