このバタバタした政治劇は!?
08年05月30日
No.823
何だか急に政治的な動きがバタバタしている。一見良さそうなものもあるような気もするが、私は素直に評価する気が起きない。政治な動きを評価する場合、意外に簡単な基準がある。それはこの前に述べた“興一利不若除一害”ということだ。一見良さそうに思われることでも、これから何々をするというのはえてして食えないものが多いのである。それよりの“大多数の人々が悪いと思っていること”を止めるとしているかどうかをみれば良い。
昨日自民党・公明党・民主党の賛成で衆議院本会議で可決された国家公務員制度改革基本法案の修正案は、官僚の天下りを禁止していない。私はそこに胡散臭さを感じる。国民が公務員制度でいちばん悪いとしていることは、役人の天下りである。役人の渡りである。どういう理由があるのか知らないが、これを避けているようではこの法案は大したものではないだろう。だから私はこの法案の条文すら読んでいない。たぶん私のこの予測は、そんなに間違ったことにはならないであろう。
私はこの基本法案に賛成した人々を信用する気になれない。国民の3分の2が反対している道路特定財源の暫定税率を復活し、道路特定財源の一般財源化などという愚にも付かない理由で結局これを存続させようとしている輩なのであるからだ。税の単純な理屈が分からず、国民の苦しい生活を身を挺して守ろうとしない政治家たちを信頼せよといわれても、それは無理というものである。大事なところが腐っている果実は所詮食えないのである。そういうことだ。
いま横浜で第4回アフリカ開発会議(TICAD)が開かれている。福田首相がいやに張り切り、いろいろな手形を切っている。そもそも福田首相には国民を代表する資格があるのか。1日も早く消えて欲しい首相である。老いの一徹で洞爺湖サミットをやりたいだけのどうしょうもない首相である。解散もできない優柔不断な首相である。ビジョンも意欲もない抜け殻のような首相である。そんな幽霊のような首相の最後の道楽のために、勝手に手形を発行されては困る。民法ではこういう老人を禁治産者とすることができる。
それにしてもなぜいまアフリカ開発会議なのか。なぜ日本がそれを開催するのか。そもそも主催しているのか、それとも単に場所を貸しているだけなのか、私は詳しく知らない。多くの国民も唐突に感じているのではないか。私は外交族ではなかったが、ODA予算を組むことには賛成だった。ODA予算を増額することに反対してこともないし、積極的に推進した方だ。しかし、1兆円を超えたODA予算を政府も外務省も外交族も有効に使う能力がなかった。長期的な戦略もなかったし、懸命な努力をしてきたとは思えない。その結果、ODA予算は60%に削減された。彼らの玩具に国民は予算を付けることを認めなかったのだ。
いまアフリカにわが国も急に色めき立っている。しかし、今ごろ急にアフリカにチョッカイをだそうとしても、時期を失っている。私たちからみてもその魂胆があまりにも見えみえである。そんな援助が功を奏する筈がない。その程度のことが分からないのであるから、今回福田首相が発行した手形は派手な無駄使いとなる。外交とか経済援助にいちばん大切なことは、正しい理念と長期的な戦略である。そして自分たちがどんなに苦しくても理念と戦略に従って貫き通す継続した努力なのである。
いまわが国の政治を担当している者は、本当にどうしようもない輩である。こんな輩からは何もしてもらわない方がいい。悪いことをするだけだ。ねじれ国会で何も決まらないで困るという人(経団連の会長がそんなことをいっていた)は、「興一利不若除一害」ということを知らないのだ。政治の根本をまったく知らない愚かな人たちなのである。民主党はこんな愚かな人たちが言っていることが気になるようだ。政権担当能力がないといわれることが怖いようである。“一害を除く”こともできない野党は野党としても一人前ではない。一人前の野党にもなれない政党が政権を担当できる筈がない。身を挺して“一害を除く”ことに徹してみよ!
それでは、また。