愚にも付かぬ“修正案”
08年03月19日
No.743
福田首相が注目される中で提示した日銀総裁候補は、「田波案」であった。この案が野党から拒否されることは容易に想定できる筈だ。実際に参議院では不同意とされた。日銀総裁は戦後はじめて空席になる。今回のこのドタバタを見ていると、福田首相は政治的に無能であることが露呈された。こちらの方も自公“合体”政権が無能であることを露呈している。
与党、一般財源化で調整 道路財源すべて対象
自民、公明両党は18日、道路特定財源をめぐる与党修正案について、暫定税率分も含めてすべて一般財源化することで最終調整に入った。08年度の実施は見送り、「将来的な目標」とする。あわせて、10年間で最大59兆円を投じる道路整備中期計画の見直しも盛り込む。19日に最終決定し、早ければ同日中にも民主党側に提示、修正協議を呼びかける方針だ。
自民党の谷垣禎一、公明党の斉藤鉄夫両政調会長が18日夜、東京都内で会談。暫定税率分も含めた道路特定財源の一般財源化については、時期は明記しないものの、早ければ09年度予算からの実施を念頭に置くことで一致した。算定基準の根拠があいまいとの批判がある中期計画については、新たな交通需要予測をもとに見直す。ただ、59兆円の事業量については、削減する数値は盛り込まない方向だ。
今国会で審議中の08年度予算関連法案については、歳入の変更による予算組み替えなどで地方財政に影響することを避けるため、修正などはしない方針。修正協議を進めつつ、民主党など野党側に年度内成立を呼びかけることにしている。
この日の会談後、斉藤氏は「与野党協議のスタート台になりうる内容だ。民主党が協議に応じないのは、これまでの主張から考えてあり得ない」と、与野党間の歩み寄りに自信を見せた。
与党は19日午前に幹事長、政調会長、国会対策委員長で会合を開き、最終的に与党案をまとめたい考えだ。ただ、自民党内では一般財源化には抵抗が根強く、党内から異論が噴出する可能性もある。<asahi.com 2008年03月19日08時05分>
いちいち論点を挙げることが馬鹿らしいほどの「修正案」ではないか。こんな案を「与野党協議のスタート台になりうる内容だ。民主党が協議に応じないのは、これまでの主張から考えてあり得ない」と公明党の斉藤政調会長が胸を張っていうのだから、野党も舐められたものである。というより、自公“合体”政権は問題を解決する当事者能力がなくなったのではないか。
道路特定財源の暫定税率をめぐる問題について、もう国民は実態を知り始めたし、理論的にも可笑しいことに気が付き始めた。世論調査でもこのことはハッキリと読みとれる。しかし、与野党で妥協すべきだという声も多い。それを助長しているのが、知ったかぶりをしている評論家とマスコミである。このことは日銀総裁問題で露骨である。
この人たちは、政権担当能力があるのならば混乱を回避せよと口を揃えていう。しかし、なぜそのような問題が生じるのかということに触れようとしない。与野党が衆参で逆転しているから「混乱」が起きるのではない。自公“合体”政権は衆参で過半数をもっていないから「混乱」が生じるのではない。自公“合体”政権が衆議院で3分の2の議席をもっていることを奇貨として、“理屈の通らないワガママ”をゴリ押ししようとするから「混乱」が生ずるのである。
いま野党は国民の意を戴して必死に戦っているのである。戦いでは立場をハッキリさせることが重要である。“敵なのか、味方なのか”を明確にすることである。いつの時代でも戦いには、洞ヶ峠を決め込んだりデマで戦線を攪乱させる謀略はつきものである。しかし、このような作戦はいっけん巧妙かつ頭の良さそうな作戦に思われるが、歴史の上で高い評価を得られることはない。命懸けの戦いが歴史を切り拓くのであり、そこに浪漫がある。道路特定財源の暫定税率廃止の“一本槍”( 永田町徒然草No.684参照)で突きまくれ!!
それでは、また。