魔の2月29日!?
08年02月29日
No.722
2月29日。この日は4年に1回しかない。この日があるのは、オリンピックのある年、アメリカ大統領選のある年である。外に何がある年なのだろうか? 自公“合体”政権はよりによってこの日に予算案と税制関連法案を衆議院で採決して参議院に送ろうとしている。2月中に参議院に送っておけば、予算案は4月1日には自然成立する。だからこの2月29日にこだわるのである。
しかし、野党の反対を押し切って予算案や税制関連法案を衆議院で採決する状況なのだろうか。ガソリン税を筆頭とする道路特定財源の暫定税率の延長問題は、完全に政府が押されている。私にいわせれば野党の攻めは甘いが、国民はガソリン税の暫定税率を10年間も延長することを可笑しいと思っている。道路特定財源に群がる官僚などの出鱈目が次から次と発覚している。いずれにせよ、道路特定財源の暫定税率を10年間も延長することは政治的にもう無理なのである。
イージス艦「あたご」の事故は、あまりにも酷すぎる。これも次から次とお粗末な事実が発覚している。例によってさも深刻そうに話をする三白眼の防衛大臣の化けの皮が剥がれた。当初から「これはもう“漫画”である」と私が酷評したように、口がいくら上手くても根本が可笑しければ所詮ダメなのである。自衛隊の不祥事は、政府の責任である。このケジメをつけないで予算案を強行採決することなど国民は納得しない。予算を名分にすれば無理を通せると思っているようだが、それは甘い。
予算案は衆議院で採決しておけば、1ヵ月後には成立する。しかし、予算の年度内成立の目途は、4月10日ころで十分なのである。細かいことを私は知らないが、そうしないと暫定予算を組まないと事務的に支障が生ずるのだそうだ。仮にそうなったとしても、それほど大した問題ではないのだ。義務的な支出に過ぎないのだから、暫定予算を組むことには野党も賛成せざるを得ないのである。だから予算の年度内成立など事務方がいうほど大したことではないのだ。
2月29日までに予算案を参議院に送っておけば、4月1日には予算は成立する。しかし、税制関連法案はそうはいかない。野党の協力がなければ成立させることはできないのだ。その野党の賛成を得ることは、針の穴にラクダを通すように難しい。野党が賛成をしてくれなくても、採決に応じてくれれば自公“合体”政権としては十分なのであるが、無理をしたのではそれも期待できなくなる。今日無理して強行採決することは、野党が参議院で暴れる(?)口実を与えることになることが分からないのだろうか。29日という日が2月にあったことが自公“合体”政権には仇となるのである。
それでは、また。