悲観も落胆も無用
08年01月31日
No.694
今朝はやけに寒い。厚着をしていまこれを打っている。昨夜から昨日の真相を知りたくてテレビを一生懸命観ているのだが、いまひとつ分からない。昨日は忙しくて夜まで外出していた。夜帰ってきてニュースを観た。中国製の餃子から農薬が検出された問題とハンドボールの男子日韓戦で、国会の動きは報道されてはいたがその間に挟まれて放映時間は短かった。だからいまひとつハッキリしないのだ。
だいたい国会で行われる裁定とか斡旋などというのは、どうにでも受け取られるようなものが多いのだ。激しく対立する与野党が差し出された裁定案とか斡旋案の文言を自分に都合の良いように解釈して、激突を回避するために行われるものなのだ。いわゆる“玉虫色”の文言などといわれる。玉虫色の衣などは見る角度によって極めて美しく見えるところから、このようにいわれるのだろう。
国会の裁定案とか斡旋案などというのは本来そうしたものだから、それについて論評することはあまり意味はない。ただひとつだけハッキリしていることは、自公“合体”政権は昨日の時点で、たとえ一時的であれガソリン税の暫定税率の維持するという議決ができなかったことである。その原因として国民の反対が極めて強いこと、全野党が“つなぎ法案”なるものに一致して反対していたこと、そのやり方があまりにも姑息であることなどが挙げられる。
自公“合体”政権がガソリン税の暫定税率を維持するためには、どの道どこかで衆議院の3分の2で再可決しなければならない。その時期は3月31日までである。ガソリン税の暫定税率を廃止しようという者は、あと2ヶ月間頑張らなければならない。“つなぎ法案”が昨日可決されていた場合には、再可決が2回必要であった。その代わり最終期限は5月31日であった。どちらが有利であったかは判らない。しかし、いまそれを議論しても意味はない。ガソリン税の暫定税率の廃止しようとする者は、あと2ヶ月間ありとあらゆる方法で反対を続けることである。
2ヶ月という期間は決して短くない。永田町徒然草のアーカイブで2ヶ月前を見ていただきたい。ガソリン税の暫定税率の維持に強く反対していたのは、私くらいであった。マスコミなどは暫定税率のことを取り上げもしなかった。現在は暫定税率でもち切りである。国民は3月31日までガソリン税の暫定税率がどうなるのか凝視する。もうドサクサに紛れて10年間も延長することなど絶対にできない。
ガソリン税の暫定税率をめぐる問題は、いつもいっているように幅広なのだ。今回暫定税率の期限が切れるのは、ガソリン税だけでない。軽油にかけられている軽油引取税(“ひきとり”で、“とりひき”ではないので注意!)の暫定税率もそうなのである。軽油引取税も道路特定財源である。これが下がることは、運輸業界にとって実に大きい。物価がじわじわと上がっている原因のひとつは、物流経費の高騰である。
ガソリンにはタックス・オン・タックスという問題もある。税金(ガソリン税)に対して税金(消費税)がかけられている問題である。この際これを解消すれば、ガソリン1リットルあたり7円強の消費税分だけガソリンは安くなるのである。ガソリン税の揮発油税と地方道路税の比率もこの際に見直す良い機会である。また自動車にかけられている各種の税を徹底的に議論しなければならない。ガソリン税は環境のためにも必要だ、と自公“合体”政権は主張している。環境税を導入するにしても“税”とは何ぞやということも論じなければならない。議論しなければならないことは山ほどある。2ヶ月間の論戦の成否が、勝負を決める。それだけのことである。悲観も落胆も無用である。
それでは、また。