自公“合体”政権の質問妨害
07年10月29日
No.596
このところ大問題のようにいわれてきた守屋前防衛事務次官の証人喚問が行われた。いつものことだが、証人尋問というのは大山鳴動して鼠一匹ということが多い。今日の証人尋問は果たしてどうなのであろうか。守屋疑惑全体を私は掌握していないので、決定的な証言が得られたのか私には判断できない。
自公“合体”政権の与党も守屋疑惑は徹底的に解明しなければならないという。しかし、本当にそう思っているのならば、証人尋問の時間を野党に確保しなければならない。今日の証人尋問でも全体の質問時間が2時間30分足らすなのに、その内の1時間20分余を自民党と公明党で費やしていた。野党に与えられた質問時間は1時間ちょっとに過ぎない。私も弁護士として証人尋問をしたことはあるが、証人尋問というのは難しいものである。
質問する者に対して敵対的感情をもっている証人を、質問する者からみて“敵性証人”という。敵性証人が質問をする者に対してペラペラと喋ることはそもそも期待できない。そこで質問する者はいろいろなテクニックを駆使することになる。しかし、そんなに決定的テクニックなどある訳がない。もしそのようなものがあれば、相手はそれを学習してしまいその術中に引っかかることはない。証人質問に関する本は多いが、こうやればよいという決定的なものはない。
しかし、敵性証人を崩すためにひとつだけ必要なことがある。それは質問の時間が十分に確保されるということである。十分な質問時間を確保されないで、敵性証人を崩すことなどほとんど無理である。自民党や公明党は、本当に守屋証人の疑惑を明らかにしようと考えているだろうか。守屋疑惑が大きくなれば新テロ特措法にとって明らかにマイナスである。自民党や公明党が守屋疑惑の解明を本気でする筈がない。本気で疑惑の解明をする気がない党が、質問時間の3分の2近くをとること自体に疑惑解明を妨げようとしている意図が示されていいる。三白眼大臣や与党の議員の正義漢ぶった言動に騙されてはならない。
それでは、また明日。