なかなか下がらない内閣支持率
07年06月26日
No.469
『朝日新聞』の第7回連続世論調査(6月23、24日実施)の結果が出た。結論からいうと安倍内閣の支持率は上がりもしないが下がりもしないということである。内閣支持率の変化は、43→44→36→30→34→32→31%である。不支持率のそれは、33→38→42→49→48→51→48%である。同紙一面右肩の見出しは、“年金「まだ怒り」92%”となっている。気持ちは分かるが、世論調査の見出しとしては、ちょっと違うのではないかという気がする。
支持率の36→30→34→32→31%という数値を、どうみるべきか。最近の支持率が、まず30数%ということは分かる。次に直近の2回は、31%前後であるとみるべきであろう。強引な会期延長をしたり、イラク特措法延長や教育関係3法を可決・成立させたりしたのだから、本来ならば5%くらい支持率が下がってもよいのだがと私は期待していたが、なかなか30%台を割らない。日曜日には、安倍首相は憲法改正案を3年後に発議するとのたまっていたが、この身の程知らずの首相に対する国民の評価は、意外に甘いというのが私の率直な感想である。
不支持率の49→48→51→48%という数値を、どうみるべきか。こちらの方は、安定して49±1%ということである。安倍首相が少々努力したくらいでは、下がらない。しかし、最近の安倍首相や自民党の言動は、滅茶苦茶である。それを考えれば、5%くらい不支持率がアップしても罰が当たらないのだが、国民の評価はこちらの方からみても意外に甘いということである。国民が内閣に対する支持・不支持を決める要因は、10年前とはかなり違ってきたことを私は痛感している昨今である。私の政治的感覚が古くなったのか、国民の政治的価値観が変わってきたのか。複雑な思いである。
もうひとつ気になる数値があった。「いま投票するとしたら」として聞いた比例区の投票先の最近3回の動きをみると、民主党は29→26→23%と続けて下がっているが、自民党は23→23→24%と横ばいである。公明党のそれは、4→3→5%である。公明党の世論調査上の数値は、ふつう低めにでる。そうすると与党全体(自民党と公明党の数値を合算)として、は、27→26→29%となる。いまや自民党と公明党は不可分一体である。1人区や2人区の各選挙区で、こうした人々が死に物狂いになってなって公明党が推薦する自民党候補の選挙運動をするのである。そんなに楽観ばかりしてはいられない数字であると私は思っているのだが……。要警戒!
それでは、また明日。