馬鹿につける薬はない
07年06月06日
No.449
本当に笑っちゃった。参議院自民党幹事長の片山虎之助氏が、柳沢伯夫厚生労働大臣の謝り方がいかんという意見が与党のナントカという会議で出たと記者会見で話したことである。また昨日触れた片山さつき自民党広報局長が作ったビラについて評判が悪いという意見があったともいう。これをまた中川自民党幹事長が「あのビラに書いてあることは全部事実です」と記者会見で庇っていた。高校の生徒会のやり取りをみている思いがした。
自民党の○○局長などというのは、1年生・2年生議員に何かの肩書がないと都合が悪いだろうということで設けられた役職というのが現実である。もともとそんな程度の役職にすぎないのに、昨日の『報道2001』(フジテレビ)に出させてもらったのは、公明党の出演者が高木広報局長だったからだろう。私にいわせれば、『報道2001』に誰を出演させたらよいか考えるのが、強いていえば広報局長の仕事なのである。「私がいちばん最適よ」と片山さつき氏が考えたとしたならば、彼女には広報局長としての適正がないということだ。こういう人物を広報局長に任命した中川幹事長(もっとも○○局長なんて役職の決定には直接タッチしていないであろうが…)の責任ということになる。彼も幹事長という役職が何をしたらよいのか分かっていないようだが、この際あえて省略する。
さっきテレビを観ていたら、問題の柳沢大臣が「(厚生労働省などが)姿勢を転換したことを示さなければならない」と答弁していた。そう安倍首相が姿勢を転換したことを示さなければ、いくら謝ってみたところで対応策を迅速にとったからといってもダメなのである。柳沢大臣の「女性は子を産む機械」発言は撤回はされたが、そのような発言をした柳沢大臣の信頼はいまだ回復していないのである。柳沢大臣を庇いつづけた安倍首相に対する不信感はいまだ解消していないのである。酷ないい方だが、「ナントカ還元水」発言の松岡農林水産大臣は死をもって償ったのに、柳沢大臣はノウノウとまだ大臣を務めているではないかという見方さえあろう。
自民党は年金の会計法上の時効を5年間延長すると自慢げに話している。しかし、そんなことはあえて声を大にしていうことではないだろう。あまりにも当たり前のことである。5000万件の年金記録が現在の状態のままだったら、国民はいったいどの位の額の年金を受け取れなくなるのかという質問に、社会保険庁は答えられずに次回の委員会(6月7日開催予定)まで待ってほしいと柳沢大臣が答弁していた。ここのところはぜひ聴きたいところである。このことを考えると、第一に優先しなければならない調査・統合は、現に年金を受け取っている人たちの記録に間違いがないかということになろう。
次は、60歳以上の人々の調査・統合であろう。60歳からは、減額はされるが年金を受け取ることができるからである。私もこの6月22日で62歳になるが、ぜひ調べてもらいたいものである。減額請求をするつもりはないので急ぐつもりはないが、どういう風にするのか当事者としてじっくりとみてみたい。5000万件余の未統合の記録を1年間ですべて調査するといっているが、実際問題として困難であろうといわれている。またその必要性ということからいっても、多額の費用を使ってそんなに急いで行わなければならないのか疑問である。社会保険庁改組法案や時効特例法の成立を強行採決までして成立させようとする安倍首相の本音は、彼が参議院選挙で演説がしやすいようにするためなのではないかという気がしてしょうがない。
“馬鹿につける薬はない”とこの前に書いたが、安倍首相が演説しやすいようにするために、多額の税金を使ってまで急ぐ必要のないものまで突貫作業で行うことは止めてほしいと思う。この際、多くの国民にも考えてもらいたい。自分の年金のことに怒るのはもっともだが、その根本原因を考えてもらいたいということである。柳沢大臣を庇いつづけ、また「みなさん、基礎年金を導入したときの厚生大臣は菅直人さんでしょう」などと演説する安倍首相の政治的本質に思いを至してほしいということである。こうしたことは、戦後のわが国の政治常識からは考えられないことである。“戦後レジームからの脱却”を内閣の使命とする安倍首相は、そういう政治価値観がないのである。安倍首相ら右翼反動が掲げる憲法改正とは、このような政治的価値観を否定することなのである。
それでは、また明日。