『朝日新聞』の連続世論調査
07年06月05日
No.448
『朝日新聞』が連続世論調査を始めた。第1回は2007年5月12・13日(土・日)で、参議院選挙が終るまで毎週土日に行うとのこと。長い間選挙関係の仕事に携わってきたが、毎週連続して世論調査をやった新聞社などはなかったように記憶している。これはありがたい。同紙は東京都知事選でも3回くらい連続して世論調査した。その調査に基づいていちばん的確な報道をしていた。皆さまのNHKもこういうことをやるべきだと私は思う。
去る6月2・3日に行った第4回連続世論調査で、安倍内閣の支持率が発足以来最低の30%となった。不支持率は49%であった。第1回から第4回までの支持率の変化は、43→44→36→30%であった。不支持率の変化は、33→38→42→49%であった。この2週間で14%もの支持率の下落である。安倍首相の焦る気持ちは、よく分かるであろう。そこで今週安倍首相および自民党は、どんなパフォーマンス(行動などの意)をするのか。それによって第5回の結果が出てくる。第5回でさらに連続して支持率が下落するようでは、参議院選挙の帰趨はだいたい予測できる。
私がいつも言及する日曜定番の政治番組も、これが放映される日曜日が調査日であるから多少は影響するであろう。この日、私は『報道2001』(フジテレビ)と『日曜討論』(NHK総合)を観た。正直にいってこの二つの番組における自民党のパフォーマンスはよくなかった。ハッキリいって最悪だった。『報道2001』の片山さつき衆議院議員のパフォーマンスは、醜悪でさえあった。選挙が間近に迫っているのだから、こういう番組にどのような人を出演させるかということは、党として重要事項であろう。そういう配慮がないのか、それともこういう番組に出て党のプラスになることをいえる人材が枯渇しているのか。後者だとしたら、自民党はもうダメである。
こういう局面における野党のパフォーマンスもまた重要である。民主政治とは、相対的なものである。言葉と数値で政策を競い合い、目標に辿りつく道を検証し合うのが民主政治である。問題を提起したのは、私はよく知らないのだが民主党の努力だったという。地道なこの作業をしてきた議員の功績は大きい。これを本当の争点にできるかどうかは、小沢代表をはじめとする党幹部の力量の問題である。今日の『朝日新聞』に昨日の記事の詳細が載っている。
『民主、無党派吸収進まず ◆連続調査では自民支持が33→34→29→28%とじわじわ下がる一方、民主支持は14→14→18→17%とやや上昇した。とはいえ隔たりはいぜん、大きい。最大勢力は無党派層で45→44→47→50%と半数に達した』とその記事は伝えている。東京都知事選では、頼みの無党派層が浅野陣営に流れなかったために浅野陣営というか野党陣営は敗北した。敵=ターゲットがヨレヨレになっているからといっても、これを攻撃する者=野党がモタモタしているようでは、無党派層は必ずしも野党を支持しないのである。あくまでの野党のパフォーマンス次第なのである。だから無党派層と呼ばれるのである。ここのところを肝に銘じて、野党は頑張らなければならない。
それでは、また明日。