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思いつき政治はやめてくれ!

07年06月03日

No.445

6月2日付の『読売新聞』朝刊である。骨太の方針にサマータイムの検討を明記したという記事である。まず私はこの「骨太の方針」というのが嫌いである。私は牛乳をあまり飲まないが、家内は牛乳を飲む。細身の家内は、骨も細いほうである。数年前から確か「骨太牛乳」というのを買って飲んでいた。家内も40代の後半であるから、いまさら骨太牛乳を飲んでも骨太になるとは思えないが、確かにカルシュウムがいっぱいありそうな牛乳という印象は受ける。牛乳のネーミングとしては出来のいいほうだとは思うが、政府の施政方針の名前としてはセンスを疑いたくなる

「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」というのが正式名称である。この方針のことを「骨太の方針」と呼ぶのである。小泉内閣の時にこういうものが作られたのであるが、安倍首相はこれを踏襲しているのだ。同紙によると“「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2007(骨太の方針)」の素案が1日、明らかになった。”とある。同じ日の『朝日新聞』の隅から隅までみたが、これに関する記事は一行もなかった。産経新聞のSankeiwebにもこれに関する記事はなかった。『読売新聞』の特ダネというより、きっと読売だけにリークされたのだろう。大事なことについてこういうことは滅多にやらなかったものだが……。世界でいちばん発行部数を誇る読売に流すのがよいという、世耕某とかいう報道補佐官の浅知恵なのであろうか。閑話休題。

サマータイム検討明記 骨太方針案 温暖化対策に重点

 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍首相)が6月中旬にまとめる「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2007(骨太の方針)」の素案が1日、明らかになった。

夏季の時計を1時間早めるサマータイム制度の早期導入の検討を初めて明記するなど、環境問題への対応に重点を置いたのが特徴だ。08年度予算編成については、「歳出改革の努力を決して緩めることなく、最大限の歳出削減を行う」とし、昨年7月に決めた11年度までの歳出・歳入一体改革のシナリオを実現する方針を示した。

環境分野では来年の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)などで主要テーマとなる気候変動問題への対応について、「京都議定書削減目標の確実な達成」と「2013年以降の国際的枠組み構築に向けたリーダーシップの発揮」の2点を掲げた。具体策として <1> サマータイムの早期導入<2>地球温暖化対策で、途上国を支援する資金メカニズムの構築――などを明記した。

一方、公共投資に関しては、「真に必要な公共投資を選別し、さらなる重点化・効率化を推進する」とする表現にとどまり、08年度の具体的な削減目標には触れなかった。

税制改革では<1>納税者の立場に立つ <2>経済社会の変化に対応する <3>受益と負担の両面から総合的に検討する――という基本哲学を示した上で、「今年秋以降、税制改革の本格的な議論を行い、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する」と強調した。

地方分権改革については、法人2税(法人事業税と法人住民税)の税収の多寡が地方自治体間の財政力格差につながっていることを踏まえ、格差の縮小を目指す方針を示した。諮問会議の民間議員は、国と地方の税源比率(現在は6対4前後)を半々にするよう求めていたが、国税の減少を警戒する財務省が反対し、数値目標は示せなかった。

この記事にはいろいろ問題があるが、今回はサマータイムと環境対策についてだけ述べることにする。安倍首相は最近やけに環境問題にご執心のようである。10日くらい前に「2050年度までに世界全体の二酸化炭素ガス排出量を現在の半分にすることを洞爺湖サミットで決める」と確か発言していた。あまりに唐突であり、豪儀すぎる。一昨日のかりゆしルックといい、こういう発言といい、要するに思い付きでいっているとしか思えない。もうマンガチックでさえある。だからこの永田町徒然草では安倍首相のことを「アベちゃん」と呼ばせてもらう。このことは、サマータイムひとつをとらえただけでも明らかである。

アベちゃんは、サマータイムを環境対策として導入しようとしているようである。しかし、サマータイムの省エネ効果は、いわれているほど大きくないのである。まあ、しないよりはマシという程度にすぎないのである。しかし、世界のほとんどの国々でサマータイムは実施されている。先進国と呼ばれる国でサマータイムを実施していないのは、日本くらいと憶えていても差し支えないくらいだ。京都議定書の批准を拒否しているアメリカでさえ、とうの昔から実施している。ブッシュ大統領は2007年からサマータイムの期間をさらに1ヶ月延ばし、開始日は3月の第2日曜日、終了は11月の第1日曜日とした。

このようにサマータイムをほとんどの先進国が導入しているのは、way of life を実りあるものにするためなのである。仕事は早く済ませ、人間として魅力ある豊かな生活をおくることを可能にするためなのである。サマータイムの是非を論じはじめれば、甲論乙駁で収拾できなくなることは明らかであるが、それでも私は一貫してサマータイム賛成論者である。国会議員のとき、加藤紘一氏を会長に戴き私が幹事長となって「サマータイム研究会」を作っていた。サマータイムを導入すれば、確実に国民のライフスタイルが激変する。特に地方でその効果は覿面(てきめん)であると確信する。生活の価値観まで変わるであろう。

「変えれば良いというものではない」というのは私の持論だが、ことサマータイム実施による変化は間違いなく良い方向に変わること請け合いである。その理由を説明すると長くなるのでここでは省略する。まあ、論じるより実行することが先であろう。私がこのようにサマータイムの導入に熱心なのは、日本人も生活を楽しむようにした方が良いと考えるからである。リゾート建設を進めることを主張したのも同じ理由からである。最近のように殺伐とした風潮になったいまこそ、ぜひ実施すべきであると考える。しかし、おかしな価値観をもつアベちゃんや非人間的な雇用関係を推進してきた経団連(会長 御手洗富士夫)などに、省エネなどという的外れの理由で導入してもらいたくない。なぜ経団連を引き合いに出したかというと、確か1ヶ月くらい前に経団連が政策提言の中で、サマータイムの導入を主張していたからである。今回のアベちゃんの決定はそれと無関係ではないであろうからである。

自公“合体”政権とわが国の経済界は、戦後わが国の政府と国民が築き上げてきた“総中流社会”を目茶目茶に破壊してしまった。彼らは改革と称してこれを破壊したが、これに代わるものを作れなかった。いまはその途上にあるという言い訳をするのであろうが、多く国民はそう見ていない。国民の見る目というのは、確かなものである。1億2600万人の目を疑うことは不遜でさえある。国民だって結果だけをみてそういっているのではない。たとえその変化が緩慢であっても、厳しいものであっても、その歩みが確実に満足できる方向に進んでいれば、ちゃんと評価するのである。小泉内閣以来、改革と称していろんなことをやってきたが、それらの一里塚は良い方向でなく、悪い方向に進んでいると考えているのである。私もそう考える。改革途上という答弁は、単なる言い訳にすぎない。今度の参議院選挙は、その回答をハッキリと下すべき機会である

それでは、また明日。

  • 07年06月03日 07時40分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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