創価学会党化した自民党
07年05月16日
No.427
『FORUM21』に連載していた「創価学会党化した自民党」が“ひとまず”終った。全部で9回の連載だった。何度も書いてきたように、隔週雑誌に連載を書くことは、けっこうハードなことであった。最新号が送られてきて、10日ほど前にメールしておいたものがどういう雰囲気になっているか確認する。本になったものは、やはりカチッとしている。だが、満足感に浸っている暇はない。次号の締切りが迫っているからだ。
ハードな仕事だったが、この連載を引受けてよかったと思っている。1996年から2001年にかけて、私は政教分離や公明党の政権参加についていろんなものを書いたり、さまざまなところで話してきた。このWebサイトを開設したのもそのためであった。しかし、それらは“べき論”であって、現実ではなかった。だが自公連立政権が10年続くと、それは現実なのである。べき論ではなく、事実論を語らなければならないのだ。
今回の連載は、自公合体政権の現実を検証することであった。連立を組んだことにより自民党がどのように変化したのか、という面から私は考察してみた。創価学会や公明党について論ずるものは数多くあるが、こういう考察は、長く自民党の中にいて、自民党というものをよく知っている私でなければ書けないと思ったのだ。またそれは私の責任だと思った。改めて観察すると、自民党は見事に創価学会党化していた。
1 排他独善、高じて批判者を抹殺する体質
2 反自由的で非民主的な体質
3 詐術的・謀略的手段を平気で用いる体質
4 理想や理念を求めようとしない俗物的体質
5 寄生獣(パラサイト)的体質
これが創価学会の問題ある特質だと多くの創価学会ウォッチャーは指摘する。創価学会党の本家本元は、いうまでもなく公明党である。かつては公明党などはマスコミにあまり露出しなかった。最近では、与党ということで政党討論会などでいやでも目に入ってくる。このような視点で公明党の主張をみてもらいたい。こういう体質が必ずどこかに窺える筈だ。
自民党にもこういう体質が完全に現れてきた。創価学会はやはり寄生獣(パラサイト)なのだ。寄生する相手の栄養分をとるだけではなく、寄生する相手のものの考え方や体質を自分と同じように同化してしまうのである。創価学会と同じような考え方や体質をもった、すなわち創価学会党化した自民党は、もはや昔の自民党ではないのだ。この自民党を昔と同じように思っているいたら大変なことになる。
かつての自民党はシンボルマークに象を使っていた。自民党は確かに大きいし政権党であったが、象のような草食性であった。しかし、公明党は小さな政党だが、肉食性であるとかつて私は指摘した。草食動物の群に、肉食動物が入ってきたらどうなるか考えてほしいと私は訴えた。草食動物が平和に暮らすことは到底できなくなるし、下手をすれば喰いちぎられる。創価学会・公明党にとって気に食わない者は、見事に喰いちぎられてしまったではないか。それが自民党の現状である。
肉食動物化した自民党がいまや国民を喰いちぎろうとしている。いや肉食性の自公合体政権が国民に向かって襲いかかっている。警察や検察の現場では、もう人権などあってなき状態である。裁判所もこれと一体化ししつあるというのが、司法の状況だ。私はいま「司法を考える会」というものに出席しているが、そうした生々しい事例が次々と告発されている。弁護士として暗澹たる気持ちにならざると得ない。
わが国の官僚は権力の中枢に迎合的である。官僚たちの目は国民の方でなく、権力者の方を向いている。わが国の官僚たちも肉食獣化している。わが国の行政機構も創価学会の上記特質を現しつつある。日本国民は司法の場でも、行政の場でも、政治の場でも、「権利のための闘争」を行わなければならないのだ。私の論文「創価学会党化した自民党」が、その闘いのいささかの参考になれば、これに過ぎる喜びはない。
それでは、また明日。