「大山鳴動して、〇狐一匹」だけは止めて欲しい。
17年10月01日
No.1935
この数日、希望の党と民進党の関係がどうなるのか、私はずっと注目していた。現在時点でも、最終的な結論が出ていない。だから、今回の解散総選挙の見通しを述べるのは、難しい。“革命”は、予定通りには進まないものである。あまり細かい段取りを付けても、なかなか、その通りには行かない。しかし、革命を進める理念や哲学は、シッカリとしていなければならない。
前原民進党代表や小池百合子希望の党代表が、どのような理念や哲学で“合流”を行おうとしたのかが、最初から明らかでなかった。中国の国共合作には、日本の帝国主義的侵略にまず打ち勝つという、極めて現実的な課題があった。今回、多くの国民が安倍政権を倒したいと望んでいる具体的課題は、何と言ってもモリ・カケ疑惑である。この問題は、国家の在り方を問う、極めて具体的な問題なのである。
この問題のケリを付けるのは、安倍政権の打倒しかないだろう。二大政党制でなければケリを付けられない問題でもないし、ましてや憲法問題でもない。北朝鮮の核・ミサイル問題を解決するために、安保法制に対する考えが何か関係するのだろうか。憲法に抵触する恐れのある安保法制を作って、野党が特に反対もしてないのに、何故一向に解決しないのかをこの際、改めて考え直す必要さえある。
「北朝鮮問題に対する国民の信を問う」と、安倍首相は言っているが、具体的に何をどうしようとしているのかが示されなければ、解散理由にならないではないか。この問題に対する私の考えは、トランプ大統領が不用意に発する武力行使に、キチンと釘を刺しておくことだ。安倍首相は、これを歓迎しているようであるが、極めて危険なことである。憲法9条にモロ違反する。
安倍首相が解散を口にしたころから、前原代表は「モリ・カケ疑惑隠し」を強調していた。そう、それで良いのだ。今回はこの一点で、自公“合体”政権と闘えばよいのだ。政権交代可能な二大政党制も、こういう闘いを積み重ねることによりはじめて実現されていくのだ。
ところが、小池代表らの“選別発言”以来、今回の解散の論点が完全に狂ってきた。小池代表は曖昧な言葉を駆使しながら、今回の具体的課題から保守2党制を訴え、その代表になろうとしている。安倍首相も、保守政治を詳しく論じることは出来ないが、小池代表も同じであろう。現在のわが国の政治の状況を国際的に見れば、右翼反動が主導権を争っているように見られるであろう。自由主義国家で、リベラルが元気でない国などない。
公示の10月10日までに事態がどう変わっていくか、なかなか推測できない。しかし、希望の党騒動の内実は、深刻である。結局は、都知事選と同じで、安倍首相を間接的に助けることになるのではないかという惧れがある。そうなると「大山鳴動して、〇狐一匹」という、歴史の笑い話になる。このことだけは、ハッキリと言っておく。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。