具体的状況における具体的行動がなければ、政治ではない。
17年07月29日
No.1925
昨晩は、稲田防衛大臣辞任のニュースを分析するために、NHKとテレビ朝日、TBSテレビの順で見た。最後に、フジテレビの「ユアタイム」を見ていた最中のこと。「海上保安庁は、『北朝鮮が、何らかの飛翔体を発射した。日本のEEZに落下する恐れがあるので、航空機や船舶は十分に注意するように』と発表した」という臨時ニュースが流れた。先程見ていたテレビ朝日にチャンネルを戻しても、詳しい報道は無かった。
こういう時はやはりNHKだと思って、チャンネルをまわした。これに関連する報道はやっていたようだが、菅官房長官が慌てて官邸に駆け込んでいく映像が映って来た。それから少し遅れて、安倍首相が官邸に入ってきた。私が疑問に思ったのは、なぜ今回のミサイル発射の第一報が海上保安庁からであったか、ということなのである。日本のEEZに落下する恐れがあると言われても、あまりにも範囲が広すぎる。どの辺に落ちる可能性があるかを言ってもらわなければ、注意のしようがない。
それから後の事は、いつもの調子である。政治は「具体的状況における具体的分析」が重要なのだ。今回の発射は、前回のミサイルよりも飛行距離も長いようだ。アメリカの西海岸や、東海岸までも到達するような距離だという。もちろん、ヨーロッパ各地にも到達するミサイルと言うことにもなる。日本政府として、毎回同じようなことを言うのではなく、今回は少し別の対策を講じて欲しい。バカの一つ覚えでは、政治ではない。
稲田防衛大臣の辞任は、政治的に極めて重要な問題を内包している。問題の“日報”の隠蔽もしくは非公表に、安倍首相も関与していた疑いがあるからだ。それを窺がわせる材料は、参議院予算員会・閉会中審査における小池晃参議院議員の質問の中に、十分にある。この点を追及しなければならない。こんなことは、特別防衛監察において出来ることではない。再来週に行われる閉会中審査で、ぜひ追及していって欲しい。
民進党代表の蓮舫氏の辞任に基づき、代表選が始まる。民進党は、現在のところ、野党第一党なのだ。この党がどういう戦略・戦術をもって国政に臨むかは、日本の政治にとって極めて重要なのである。細かいことは言わないで、野党のど真ん中にいて、その役割を果たして欲しい。望むのは、それだけだ。これについては、また詳しく論じなければならないであろう。
他にも、言いたいことはいっぱいあるが、今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。