カジノ解禁法案の賛否が、次の選挙の当落に直結する。
16年12月03日
No.1881
通称カジノ法案が、衆議院内閣委員会でたった6時間審議されただけで、自民党・大阪維新の会・公明党などの議員の賛成多数で可決された。なお、これらの党の一部の議員の中には、反対・棄権があったようだが、次の開催される衆議院本会議で採決に付されるという。現状の議員数では、可決されて参議院に送付されることになる。
前号の永田町徒然草No,1880「博打で日本を成長させる!? 何バカなことを言ってんだ」で詳しく述べておいたが、このカジノ法案は、とんでもない法案なのだ。健全なリゾート建設推進に
それよりも、私がここで問題としたいのは、カジノ法案に賛成する政党や政治家などの品性・品格・見識なのである。江戸時代でも、博打はご法度だった。わが国は、博打を違法としていた。明治以降も、もちろん博打は違法であった。現在でも、博打=賭博は違法である。競馬・競輪・競艇などの勝者を予想する行為が賭博であることは、間違いない。しかし、それらは特別法において違法性が阻却されており、処罰されないことになっている。
パチンコはどうか。博打という人もいるが、娯楽に過ぎないという人もいる。少なくとも、イチパチ(パチンコ玉一個の値段が1円のもの)などは、大人のお遊びという人が多いだろう。昔は、パチンコの台に“娯楽遊興税納付済”という証書が貼られていた。パチンコやスマートボールは、そもそも大人の娯楽・遊興だったのだ。また、それが本来の姿なのであろう。現在の一個4円のパチンコは、本来の姿からかけ離れていると、私は思っている。
繰り返すが、わが国では、博打はずっと違法であった。それでも、博打はいろいろなところで行われた。昔も今も、博打好きは多い。人間の
その大元は、博打をどう考えるかによる。偶然の勝ち負けで、懸けた金が2倍3倍になれば、勝った人はハッピーであろう。ところが、負けた方は、そっくりお金を持っていかれるのだ。そして博打には、その博打を取り仕切る胴元がいる。世界中の博打の大原則は、胴元は必ず儲かるように出来ているということだ。だから、わが国では博打=賭博そのものよりも、賭博開張図利行為が厳しく罰せられているのだ。
博打の世界を多少でも知っている者ならば、この大原則を知っている。だから、博打を公認すれば、多くの人々が損をし家庭崩壊するにもかかわらず、賭博場を開設した胴元は大儲けをする。当然、胴元たちは、博打を公認して貰えるように望む。大儲けできるのだから、そのために金を使うことなど、少しも厭わない。しかし、博打を公認し、大儲けする胴元から少しばかりの金を取っても、国や社会が失うものは、余りにも多過ぎる。
わが国は、昔から博打を禁止してきた。それでも昔から博打は行われてきたが、裏でこそこそやるしかなかった。にもかかわらず、多くの人々が博打に
ところが今回、たった6時間の審議で、バカラ法案を衆議院で可決した。その上、ニュースなどは簡単な報道に終始した。この間も、テレビのニュース情報番組では、オリンピックの会場問題や豊洲新市場の問題を執拗にやっていた。しかし、このカジノ法案(博打公認問題)こそ、多くの視聴者に関係し、喧々諤々の議論が期待できるテーマではないのか。それが全く話題にならないのは、テレビ業界にも、胴元たちの薄汚い金が回っているためであろう。
カジノ法案の行方は、次の衆議院選挙にも必ず大きく影響する。仕掛け方によっては、原発Noと同じくらいインパクトのあるテーマになり得るからである。それが見えないようなら、大した政治家でもないし、政党でもない。「博打を公認して、国家・地方地自体を運営しよう。わが国の経済を成長させよう」などと主張する人士に、品性も品格も見識もないのは明らかである。多くの国民は、きっとそう判断するであろう。これは、私の強い予感である。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。