争点は、まず憲法改正の是非
16年07月17日
No.1851
昨日の永田町徒然草No.1850「また、“選挙隠し”をやっている。」は、大勢の方々から共鳴を頂戴した。政府与党と大手マスコミは、“選挙隠し”に余念がないが、それでは、都知事選の争点はいったい何なのであろうか。大手マスコミのネガティブ・キャンペーンを頭に置きながら、今回の都知事選の争点を私なりに述べてみる。まず、最大の争点は、憲法に対する候補者の考え方である。
あまりにも当然のことだが、都知事選は、都知事を選ぶ選挙である。都知事は、都政に関して絶対的権限をもつ。都知事がこうと判断すれば、リコールか、都議会で不信任動議を出すなどしなければ、簡単にこれを覆すことはできない。任期中には様々な問題が起こるであろうが、それらを全部想定し、公約とすることなどできる筈がない。意見が対立する重要な問題に関する判断は、憲法の基本的価値観をどう捉えるかによって、おおよその想定できる。
政府与党と大手マスコミは、「憲法改正問題を都政に持ち込むな」と言っているが、とんでもない勘違いである。いや、彼らの憲法観がなせる業なのである。憲法は国政のみならず、社会福祉・職場(労働問題)・家庭(婚姻・身分関係)など、あらゆる分野に関することを規定している。それらは、今や現場で現実に深く浸透しており、しかも、多くの国民がこれを支持しているのである。政府与党の憲法観は、そういう問題さえ、覆そうとしているのが現実なのだ。
都知事選だけでなく、地方自治体の首長(知事・区長・市町村長)の選挙と、同じ一人を選ぶ衆議院小選挙区と参議院1人区の選挙を混同してはならない。後者は、議会の一員(ワン・オブ・ゼム)を選ぶに過ぎない。いっぽう前者は、絶対的判断を下せるオンリー・ワンを選ぶ選挙なのだ。安倍首相が進めようとしている憲法改正に“ノー”と言っている鳥越候補を都知事に選んだとすれば、東京都民は安倍首相が進めようとしている憲法改正に“ノー”という意思を示したことになるのだ。その影響は、計り知れない。だから、鳥越候補を落とすため、政府与党と大手マスコミはありとあらゆる手を使うと覚悟しなければならない。
以上の外にも、いろいろな争点はある。が、今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。