アベノミクスは完全に吹っ飛んだ。
16年06月27日
No.1840
- わが国のマスコミは、イギリスのEU離脱をど派手に報道している。これは、舛添報道の時と同じだ。イギリスのEU離脱は、政治ネタではある。政治問題ならば、これを正しく報道しなければならない。マスコミはまず、「なぜイギリスのEU離脱が起こったのか」を正確に報じなければならない。キャメロン首相の政治的な甘い読みが最大の原因だったと、私は思う。
- キャメロン首相は、安倍首相のお友達である筈だ。大切なお友達の危険な賭けに、忠告しなかったのだ。「伊勢志摩サミットの首脳宣言は、イギリスのEU離脱リスクをチャンと書いておきましたよ。私は、このようにチャンと先が読めるんですよ」と後で言うのでは、余りにも冷たい仕打ちというものである。それだけじゃない。日本経済にも大きな影響を及ぼすことなのに、“他人事”のような言い草である。
- イギリスのEU離脱はポンド安を招き、ユーロ安→ドル安→円高となるのは、経済の素人である私でさえ容易に予測できることである。安倍首相が成果を強調している“アベノミクス”の第一の仕掛けが円安・株高であることは、安倍首相自身がいちばん知っている筈である。その、第一の仕掛けが飛んでしまったのだ。
- アベノミクスの第二の仕掛けは、相も変わらずの公共事業であった。こんなものは政権党がその気になれば、いつでもできることである。東日本大震災の復興事業だけでも公共事業は十二分にあったのだが、さらに公共事業を行うために、東京オリンピックを誘致したのだ。その原資は、復興増税と赤字国債である。この膨大な額の公共事業を行ったために、建設コストが高騰し、建設関係の人手不足が深刻な状態になってしまった。
- アベノミクスなど、最初から、通貨の供給量を増やして、見せ掛けの景気を上げるだけの「イカサマの政策」に過ぎないのだ。経済の専門家は、最初からこのことを指摘していた。政権ベッタリのマスコミと
似非 経済学者がアベノミクス、アベノミクスと持ち上げたのだ。イギリスのEU離脱によって、アベノミクスは、完全に吹っ飛んだ。イギリス国民の今回の判断が、アベノミクスのまやかしを日本国民に気付かせてくれたのなら、感謝しなければならない。 - イギリスのEU離脱を報道するのならば、ジャーナリズムならばこういうことを言わなければならないのだ。しかも、わが国は参議院選挙の最中である。イギリスの今度の国民投票の投票率は、72.2%であった。イギリスの出来事を他山の石とするのが、普通の感覚ではないか。わが国のマスコミは、国民の参議院選挙への関心をとにかく逸らすように、官邸から要請されているのだ。覚醒した国民は、その逆のことを行わなければならない。