ヘッダバイパス[j]ump
liberal-shirakawa.net 白川勝彦 Webサイト (HOMEへ)
白川勝彦へメールを送る
永田町徒然草を閲覧しています
自薦論文を閲覧します
白川文庫を閲覧します
フォトエッセイ即写一言を閲覧します
永田町徒然草
自薦論文
白川文庫
フォトエッセイ 即写一言
プロフィル
リンク

 

憲法と国会は、こう破壊されたー2

15年09月21日

No.1782

<永田町徒然草No.1781からつづく>   国会に入る前に、私はタクシーで、国会の周りを一回りした。雨の降る中、大勢の人々がシュプレヒコールをあげていた。議員会館前の歩道にも多くの人々が集まり、シュプレヒコールをあげていた。私は、参議院の中を一回りして、3階にある参議院本会議場の前議員傍聴席に入った。時間通りに本会議は始まり、日程が進んでいった。まず、最初の採決で、「中谷元防衛大臣に対する問責決議案に関する討論時間をひとり15分以内とするという動議」の処理が行われた。

私は衆議院にかなり在籍したが、国会議員の発言時間をひとり何分以内と定めるという動議が出され、また、それを記名投票で採決するなどということは、経験した覚えがない。本会議の議事運営を決める委員会を、議事運営委員会という。衆議院も参議院も、同じ名称だ。その委員会では、本会議の前にそのようなことを決めた前例はあるのかもしれないが、そんなどうでもよいことを、本会議でわざわざ、記名投票で決める必要があるのだろうか。

この発言時間制限の動議を記名投票で採決するために、約20~30分くらいかかる。前代未聞の発言時間制限の採決が終わると、いよいよ、中谷防衛大臣に対する問責決議案の審議が始まった。問責決議案を提出したのは、民主党・新緑風会であった。会派を代表して…確か、大塚耕平参議院議員が、問責決議案の提出理由を述べた。大塚議員は、安保特別委員会でも度々質問に立っていた。民主党でも政策通として知られ、論客でもある。大塚議員とは、昨16日の夕方に、第一委員会室のゴタゴタの中で話をした。

大塚議員は、問責決議案の提出理由において「中谷防衛大臣の答弁が矛盾したり、法案の中味について間違ったり不適切な答弁を繰り返していたことを、一つひとつ具体的に挙げて、安保法案の提出大臣として責任を問わなければならない」と語った。大塚議員が指摘する通り、中谷防衛大臣の答弁は、あまりにもお粗末だった。それが、素人目にも分かったのだろう。安保法案の可決成立後に行われた世論調査で、「政府は十分な説明をしていない」という回答が、80%前後ある。この責任は、担当大臣である中谷防衛大臣にある。

安倍首相の答弁の出鱈目さ・いい加減さも、「政府は十分な説明をしていない」と感じる大きな理由である。国民は、バカではない。安倍首相の答弁がおかしいこと・間違っていることなど、大体分かるのだ。それに、ヤジを飛ばしたりする姿をみて、大事な安保法案を提出する資質や品性がないと、喝破しているのである。安倍首相は、これからも丁寧に説明していくと言っているが、そんなことはしないであろうし、安倍首相や中谷防衛大臣がいくら説明しても、国民の理解が深まることはまず、ないであろう。

大塚議員の提案理由の後、民主党・新緑風会、共産党および維新の党の賛成討論、自民党と公明党の反対討論があった。これには、発言時間の制限がかかっていた。15分以内で中谷防衛大臣等の答弁の出鱈目さや間違いを指摘するのは、難しかろう。安保法案の政府答弁を後で検証する際に、この提案理由と賛成討論は、極めて貴重な資料となる。その発言時間を制限するなど、実に愚かなこと。“反知性主義”がなせるところである。NHKは果たして、この審議を中継したのであろうか。傍聴席に入る前に、スマホの電源を切らなければならないので、私は確認していない。

以上の発言が終わると、いよいよ、中谷防衛大臣に対する問責決議案の採決となる。記名投票なので、点呼が始まり、各議員が議長席の前の演壇に置いてある投票箱に向かう。そこで私は、大きな感慨に陥った。自民党議員の中の7割近くの顔ぶれを、私は知っているのだ。昔から参議院議員であった者もいるし、いろいろな事情で衆議院から鞍替えした者もいる。総務局長をしていた関係で、それぞれの選挙に、私は深く関わっていた。彼らがいま、どんな気持ちで投票しているのだろうかと思うと、実に複雑な感慨を禁じ得なかった。

投票の結果は、明らかである。マスコミ等が注目するサプライズ投票は起きず、当然のことながら、否決された。しかし、その結果は分かっていたとしても、そこに至る過程・発言・行動等が重要。そこに、いろいろな意味があるのだ。本会議は休憩に入り、散会した。しかし、2時間半近くに及んだ傍聴は、私には非常に意味のあることであった。明日から、いろいろなことが参議院本会議と衆議院本会議で行われるが、これは、できるだけ傍聴しなければならないと思った。国会の周りをタクシーで一回りし、赤坂で食事をして自宅に帰り、永田町徒然草No.1779「右翼反動が正体を暴露した9月17日」をupdateして、眠った。<つづく>

今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。

  • 15年09月21日 11時03分PM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

白川勝彦OFFICE   白川勝彦へメール送信 ]

Valid XHTML 1.0 TransitionalValid CSS!Level A conformance icon, W3C-WAI Web Content Accessibility Guidelines 1.0

Copyright©K.Shirakawa Office 1999-2016 - Web pages Created by DIGIHOUND L.L.C. All Rights Reserved ©1999-2016
Powered by Nucleus CMS. Page designed by James Koster.Ported to Nucleus by Joel Pan. Re-design and adjusted by DIGIHOUND L.L.C. © 2006-2016