詭弁の固まり:安倍首相
15年05月31日
No.1750
前号の永田町徒然草「潮目が変わった」が、ある掲示板で紹介され、これが爆発的に拡散された。「潮目が変わった」は、軽い気持ちで書いたものだが、たぶんタイトルが良かったのだろう。私としては、前々号の「やっぱり戦争法案だぜェ !!」の方こそ、拡散して欲しかったのだが…(笑)。そちらの方は、私なりにかなり気合いを入れて書いたのだ…。
先週は比較的時間があったので、かなりの衆議院・安保法制特別委員会 国会中継が見られた。例によって、「早く質問しろよ」と安倍首相がヤジを飛ばしたのが話題となった。各党の質問者の質疑を聞いて感じたことだが、力量不足なのは、やはり否定できない。そもそも、勉強不足である。共産党は、志位委員長が二日連続して質問に立った。しっかりと準備しており、さすがに迫力があった。
国会の質問は、“学術”論争や理論闘争ではない。安倍首相が提出している法律案の問題点や危険性を、国民に明らかにすることである。その結果として、国民がこんな法律案を通してはダメだと思わせなければならない。淡々と質疑を続けていたのでは、いつかは採決ということになる。採決になれば、残念ながら自公“合体”政権が勝ってしまう。
採決を阻止するためには、審議中断・審議拒否などをしなければ、ダメである。その時に大事なのが、その理由である。「こんな質問にちゃんと答えられないようでは、ダメだ」と、国民が思うようなことを、審議拒否や審議中断の理由としなければならない。そうしないと、国民の理解と協力が得られない。だから、徹底的に準備・勉強しておくのが大事なのである。
これまでの審議でも、「ここで止めないでどうするんだ」という場面が、いくつかあった。その時、野党は損得抜きに協力し合わなければならない。そうすれば、審議を止めることなど、意外に簡単にできるのだ。野党は、圧倒的に多くの国民が安倍首相の提出した“戦争法案”に反対していることに、自信をもって良い。また、その確信がなければ、迫力ある質問はできないと思う。
今回の法律案の閣議決定から、安倍首相は一貫して、今回提出された法律案によって、これまでのわが国の安全保障政策は、専守防衛を含めて、少しも変わることがないと強調している。本当にそうならば、なぜ仰々しい・意味不明な用語を用いて、今回の法律案を作ったのか。野党は、そこを突いたらよいと思うのだが…。実は仰々しい・意味不明な言葉の中に、アメリカの味方と思われる防衛官僚の、真の狙いが隠されているのである。
今日、私は民主党の岡田代表はじめ、多くの野党幹部と会う機会があった。「ここは、本当に踏ん張りどころだ。何をやっても良いから、頑張って下さいね」と、私は激励した。安倍首相がいくら詭弁を弄そうとも、安倍首相の戦争体質に、国民は気付き始めた。ここでグイグイと攻めなければ、野党の野党たる所以が疑われる。多くの人が期待している“国民的な野党”は、その結果として生まれる。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。