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口舌の徒

11年06月03日

No.1490

内閣不信任案を突き付けられた首相が退陣を表明すれば、不信任案を可決しようといきり立っている勢力は目的が達成されたと思うのは、ごく普通のことである。菅首相は、退陣を表明することによって民主党内の不穏勢力を宥(なだ)め、とりあえず内閣不信任案を否決することには成功した。しかし、民主党代議士会で鳩山前首相は冒頭立ち上がり、「退陣の時期は、復興基本法の成立と第二次補正予算案の編成に目途がついた時点で身を引いていただきたい」と演説した。それを聴いて、苦渋していた民主党衆議院議員は大きな拍手をした。

もし、鳩山氏の指摘したことに異論があるというのならば、菅首相や岡田幹事長は、明確に否定ないし説明しておく必要がある。ところが、本会議終了後の菅首相や岡田幹事長の発言は、どうもおかしい。昨夜の記者会見で、執拗に食い下がる記者の質問に対し「福島第一原子力発電所の事故については、冷温停止になれば一定の目途がついた段階といえるのではないか」と発言したそうだ。さらに、一部の情報によれば、菅首相は「俺は退陣など言っていないしぞ」といっているという。

いずれにせよ菅首相は、鳩山氏が念押ししたように1~2ヶ月後に辞めるなどとは、まったく考えていないようである。菅首相が民主党代議士会の冒頭で発言したのは、不信任を突きつける議員をとにかく宥め、不信任案を否決することが目的だったのだ。そして、ともかく不信任案を否決することには成功した。しかし、菅内閣不信任案の是非の判断は、菅首相が行ってきた大震災・原発事故への対策についての政治評価だったのである。菅首相は政治的責任をはぐらかし、少なくともあと半年はその座に居座るつもりらしい。

まさに、菅首相は堂々たる口舌の徒である。しかし、菅首相が総理大臣として行ってきた諸対策の評価が変わった訳ではない。今回の退陣時期については、今後当然のことながら必ず大きな争点になる。不信任案に賛成しようと考えてきた人々が、「来年の1月まで」などで納得する筈がない。通年国会を口にしたのも、再度の内閣不信任案を封じるための予防線だったのかも知れない。内閣不信任案を一度否決しておけば、一事不再議の原則で、来年の通常国会まで再びは提出できないからである。こうなると、もう詐欺師と呼んだ方がいいのかも知れない。

だが、菅首相が来年の1月までその座に居座ることは可能であるかも知れないが、諸対策を実行することは極めて困難になる。参議院は野党が多数を占めているし、今回騙された民主党衆議院議員は、公債特例法案の再可決に協力しないであろう。そうすると、本予算や補正予算を執行するために必要な特例公債法案を通すのは、困難になる。一時的には身の危機を脱したとしても、口舌だけで諸対策を実行することはできない。口舌の徒は、その場その場をしのいでいるに過ぎないのだ。こんな首相に、この国を任せられる筈がない

今日はこのくらいにしておこう。それでは、また。

  • 11年06月03日 07時51分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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