予算のマニフェストは…!?
09年10月17日
No.1319
概算要求問題が連日ニュースのトップを飾っている。果たして概算要求問題はこれほど大騒ぎする問題なのだろうか。平成21年度補正予算の執行停止は早く決めなければ、執行されて無駄に使われてしまう。しかし、平成22年度予算案は12月末までに決定すれば良い問題である。どのような予算を作るかは大切であるが、そもそも平成22年度の予算規模をどの位とするかが先であろう。
予算に対する欲望は無限にある。しかし、財源は有限である。マニフェストに基づくものであろうが、国民の強い要望があるものであろうが、有限の財源の中で実行していかなければならない。税収は、甘く見積もるかどうかの違いはあるがだいたい予測可能である。しかし、国債をどのくらい発行するかは、政治の意思である。日銀納付金や埋蔵金などの税外収入は、政治主導によって大きくもなれば小さくもなる。それにしても常識的な額はある。
平成21年度補正予算の執行停止した額約3兆円を平成22年度予算の財源にするというのも理屈としてはおかしい。14兆円の補正予算の財源のほとんどは赤字国債であった。これ以上の借金を作ってはいけないというので執行停止にしたのであろう。自公"合体"政権の無駄を見付け執行させなかったのだから、これを民主党のマニフェスト実行のために使わしてもらいたいというのは理屈としておかしい。
以上のような混乱が生じるのは、財政・予算に関する原則・規律がないからである。赤字国債を大量に発行する前は、予算は税収の範囲で組むというのが常識であった。第一次石油ショック後の不況を乗り切るために、赤字国債を発行した。しかし、この赤字国債を早く返還し財政規律を取り戻すために、大平正芳総理大臣は一般消費税の導入を提唱したのである。総選挙の結果は厳しいこととなった。私はその選挙で初当選した。
いつも言っているように、マニフェストとは宣言書である。積荷目録ではない。民主党がまず最初に宣言しなければならないのは、財政に関する基本原則を宣言することなのである。その宣言に基づいて、どのメニューを平成22年度予算案に盛り込むかを決めなければならないのである。そうしなければ財政や予算案に関して、民主党が目指す方向が明らかにならない。このままいったら“マニフェスト雑炊”か“マニフェストのごった煮”になってしまうぞ!!
それでは、また。